FAIRY TAIL

□*007*
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ふと、私たちのいる所に影が落ちた

あれは、魔導爆撃艇クリスティーナ!


《誰か返事を…無事なら返事をしてくれ!》

ヒビキさんの念話だ!


《この声は……ヒビキか!》

《エルザさん!ウェンディちゃんも無事なんだね!》

『よかった…。無事だったんだね』

《アサコさん!よかった……心配してましたよ》


ウェンディが無事ってことはシャルルも無事ね


《私も一応無事だぞ……》

《先輩!よかった》


《どうなっている。確かクリスティーナは壊れていたはずだ》

《まだ飛べたんですね!》


《ああ、なんとかね。
僕たちは即席の連合軍だが、重要なのはチームワークだ。

壊れた翼はリオンくんが補い、バラバラになった機体はシェリーさんの人形撃とレンの空気魔法でつなぎとめているんだ
イヴの雪魔法でも補っている》


《流石にキツイか…》
《こんな大きなもの、操ったことないですわ》
《お、重たくなんてねぇからな》

……こんな時にもツンデレなんだ


《さっき、あの砲撃を食い止めたのは誰なんだい?》

『あ…一応私です』

《アサコさん!ありがとうございます。本当にありがとうございます!!》


涙声ながらにお礼を言うウェンディ


《流石に…魔力が…》

イヴさんのキツそうな声が聞こえる


《イヴ!》《イヴ!しっかりしろ!》
《流石に…厳しいですわ》《くっ…まだ、もう少し……》

シェリーとリオンも限界のようだった


《聞いての通り、僕たちは既に魔力の限界だ。もう、いつまで船を飛ばせられるかわからない。
僕たちはのことはいい。これだけ聞いてくれ》

ヒビキさんの言葉に耳を傾ける


《ようやく古文書(アーカイブ)の中からニルヴァーナを止める方法を見つけた。
あの六本の足のような物がホースのようになっていて、大地から魔力を吸収しているんだ。
そして、その足の付け根に制御魔水晶がある。それを同時に破壊するんだ》


《同時に!?》

エルザの驚く声が頭の中に響いた


《僕がタイミングを計ってあげたいけど、それまで念話が持ちそうにない》

ピピッ

頭の中に情報がインストールされた


《20分!?》

《次の装填完了(そうてんかんりょう)までの時間だ》


その時、ノイズが入った


《無駄なことを!》

《僕の念話をジャックした!?》


《俺はゼロ!六魔将軍のマスターゼロだ!
聞くがいい!光の魔導士よ!俺はこれより、全てのものを破壊する!
手始めにまず、仲間を3人破壊した。
滅竜魔導士に氷の造形魔導士、星霊魔導士。それと猫もか

テメーら、魔水晶を同時に破壊するとか言ったなぁ。俺は今、その六つの中の一つの魔水晶の前にいる!
俺がいる限り六つの魔水晶を同時に壊すことは不可能だ!!》



私はマスターゼロの言葉で怒りに震えたが、なんとか理性を保った


《そうとなれば手分けして壊すしかないな
ゼロに当たる確率は六分の一。しかもアサコ以外は勝負にならんと見たほうがいいだろう》

『私じゃなくてもエルザがいるじゃない』


《ちょっと待って!何言ってるのよ!六人も居ないじゃない!!》

《はっ!私…破壊の魔法は使えません!ごめんなさい……》

『大丈夫よ、ウェンディ』


《くっ……他に動けるものは居ないのか!》

《マイハニー…私がいるではないか》

《これで…3人…。まずい……念話が切れる》

「私が……」サッ

私は喋りかけたジェラールを止めた

『今は言わないほうがいい。私に任せて?』


《誰かいないか!?》

《くそっ…魔力が尽きたか……》

《ごめんなさい……ですわ》


《見て!クリスティーナが落ちるわ!》

クリスティーナは下降を始めていた


《グレイ…立ち上がれ。お前は…誇り高きウルの弟子だ……。こんな奴らに負けるんじゃない!》

リオン……


《わたくし…ルーシィなんて大ッ嫌い。ちょっと可愛いからって調子に乗っちゃって……。バカでドジで…弱っちいくせに…死んだら嫌いになれませんわ。後味悪いから返事しなさいな!》

シェリー……


《ナツさん…》《オス猫…》《ナツ…》

ウェンディ……シャルル……エルザ……


『私たち妖精の尻尾は、これくらいのことで諦めない!
それが妖精の尻尾の魔導士よ!!』

《聞こえるかい?僕たちの声が》


ナツ…グレイ…ルーシィ…!


《き…こ…え、てる…!》

《ナツくん!》


《6個の魔水晶を、同時に…壊す!》

《ふっ……》

《メーーン》


《運がいいやつは…ゼロも同時に殴れる…でしょ?》

《あと18分…急がなきゃ!シャルルとウェンディのギルドを守るんだ!》


みんな……

みんななら、立ち上がれるって信じてたよ


《もうすぐ、念話が切れる…。頭の中に僕が送った地図がある。各魔水晶に番号を付けた…。全員がばらけるように決め……》

ヒビキさんが最後までいう前に、持ち堪えていたクリスティーナが壊れた


『急いで番号を決めないと!』

《1だ!》
《2!》
《3に行く!……ゼロが居ませんように》

《私は4に行こう!ここから一番近いと香り(パルファム)が……》
《教えているのは地図だ。私は5に行こう》

エルザ…そんなマジで突っ込んだらかわいそうだよ


《エルザ!元気になったのか!》

《ああ。おかげさまでな》


『6は任せて』

《アサコ!喝入れてくれてサンキューな》


その言葉を最後に、プッツリと念話が切れた


『念話が……。限界だったんだね』


ナツが1を選んだっていうことは、1にはゼロが居るはず


私はいろいろ準備をして、ニルヴァーナの中心地に立った



『東の魔法、月読!

正規ギルドの連合軍に、神の加護を!』


私は全員に治癒をかけた

だが、さっきのニルヴァーナの砲撃を受け止めた時に大分魔力を使ったので、少ししかできなかった


『頑張ってね……みんな』


私はそう呟いて、意識を手放した






──────






一方その頃、1の魔水晶では

「火竜の鉄拳!」

「常闇奇想曲(ダークカプリチオ)」


アサコの予想通り、ナツがゼロと戦っていた

ナツは明らかに押されていた


と、ナツに攻撃が飛んで来た

ナツは攻撃が飛んで来た方を見ると、ジェラールが怪しい笑みで見下ろしていた


「ナツ・ドラグニル」

「ジェラール……!!」

「貴様……記憶が戻ったのか」


ナツはジェラールを殴りに行った

ジェラールはナツを受け止め、コッソリ耳打ちをした


「ナツ……俺は────だ。アサコから火之迦具土神の炎を貰って来た」

ナツは怪しく思ったが、匂いをかいでアサコの魔力を確認したためそれを食べた


「食ったら力が湧いてきたァ!
サンキューな、────」

「ジェラール……貴様、裏切る気か」

ジェラールは何も言わずに去って行った


「俺は炎を食った。壊れるのはお前だァ!!」

「ハッ。炎を食ったぐらいで俺に勝てないのは変わらん」

「アサコの炎をなめんなよ?
アイツの炎は他とは違うんだよ!」


アサコの魔力を込めたは炎はナツの力を上げ、ドラゴンフォースを開放させた


そしてナツは、見事ゼロに勝った



無事に、六つの魔水晶を同時に壊すことができ、ニルヴァーナは止まった




「アサコ、大丈夫か?」

『ジェ、ラール?』

「あまり無理をするんじゃない」

『大丈夫。私はこれくらいでは死ねないから』



──正規ギルドの連合軍は、無事に六魔将軍に勝つことが出来た


これで、ニルヴァーナの脅威に人々が脅かされることはなくなった





To be continue……

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