氷光物語

□3.
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ドスッ


『あいたたた……』

私は空から降ってきたようで、お尻を強打してしまった


そこから旅を続けて数日



「おい姉ちゃん。ちょっと遊ぼうぜ」

『はい?』

複数の男に絡まれたかと思うとカチャっと何かが腕につけられた


これ…魔法封じるやつじゃない……


『はぁ……メンドクサイなぁ』

「余裕ぶっこいてられるのもそこまでだぜ?」

『うるさい…なっ』

私は一発回し蹴りをくらわせた


「おい!この女がどうなってもいいのか!」

「きゃああぁぁ!」


一人の男が女の子を人質にとっている


『ちっ』

私は渾身の力で腕に付けられていたものを壊した


まあ、こんな安物じゃない限り絶対割れないけどね


『聖なる光の守り(ザ・ホーリーライトチャーム)!』

その女の子の周りに光のベールが出来た


『光竜の…咆哮!』

そして男たちを一掃した


聖なる光の守りがあるおかげで女の子は無事だった



『大丈夫?』

「は、はい!ありがとうございました!」

女の子はパタパタと去っていった


よし、旅を続け…
「おい!」

『はい?』


………振り向いたのが運の尽きだった


「お前、アサコだろ!?」

『いえ、私はハナコと申します。以後お見知りおきを』

「嘘をつくな。匂いが同じだ」

『あはは……』


直後、一瞬で視界が真っ暗になった

目の前にはラクサス…否、お兄ちゃんの立派な鎖骨


「お前生きてたのか…よかったっ……!」

『詳しく話すよ』


そして私は今までの経緯を話した


「ギルドには帰らないのか?」

『うん。今更帰ったってみんなを混乱させちゃうだけだし
死んだ者は死んだ者として姿を隠すよ』

「そうか……」


というか、なにか違和感が……


『あっ!お兄ちゃんギルドマークは!?』

「……言いにくいんだが、俺はこの前破門になった」

『…………何やってるの』


はぁ…と私はため息をついた


『いつかはやらかすと思ってたけど、まさかホントにやらかしてたとはねぇ』

「だから俺らは、ギルドの仲間じゃなくてただの兄妹だ」

『うん。家族水入らず……ってね』


お兄ちゃんといろんな話しをしながら旅をしていた

旅をしてもう何日たったか分からなくなってきていた頃


「むっ!このかぐわしい香り(パルファム)は……!」

「え!アサコ!?」

「お姉ちゃん!会いたかったよ!」

「お前…綺麗になり過ぎだろ」

『あっ!トライメンズと一夜さんだぁ!』


前方から四人の姿が


「貴方は確か仕事中に……」

『えーっと、平行世界に飛ばされてただけだったっていうオチで…』

「生きててよかったよ!」

「僕、もう一回弟になってもいい?」

「べ、別にお前に会えて嬉しくなんかないからな…!」


私は少しレンに意地悪をした


『レン……会えて嬉しくないの?
私は嬉しかったのにな……』

なんてションボリしてみせると

「ち、違うんだ!
その……会えて嬉しい」

「うわぁ、レンがデレた」

「さすがアサコだね」


うん。やっぱり素で照れながらデレるレンのほうがいいよ


『あ、ねぇねぇ!久しぶりだからアレ見たい!』

「わかりました……いくぞ、君たち!」

「「「わかりました、師匠!」」」



「はい、一夜が!」
「「「一夜が!」」」

「パルファム!」
「「「パルファム!」」」

「パルファムわっしょい!」
「「「わっしょいパルファム!」」」

「パルファムわっしょい!」
「「「わっしょいパルファム!」」」

『ふふっ。わっしょいパルファムー!』

「お前まで何やってんだよ……
つーか恥ずかしいからやめろ」


お兄ちゃんは額に手を当ててため息をつく


『ほら、思春期は捨てて!
わっしょいパルファム!』


アサコはラクサスの腕を持って無理やりやらせた


「はぁ……(これの何が気に入ってるんだ?)」



「百夜のヒビキ!」
「聖夜のイヴ!」
「空夜のレン!」
『光夜のアサコ!』

「貴方のための一夜でぇす。キラメキッ」


「もうやだ……」


実はアサコは小さい頃から天馬やラミア、四つ首の番犬(クワトロケルベロス)と面識がある……というか仲がよかった



「『!』」

「今ジジィの声が…」

『うん、聞こえた』

「行くぞアサコ」

『へ?まだみんなと…って、ちょっとぉ!』


ラクサスは雷になり飛んでいった

アサコを掴んで


やむを得なくアサコも光になった


下で四人が手を振っているのが一瞬見えた気がした





………ていうか、おじいちゃんが呼んでる=ギルドのみんながいるじゃん!



一人、今更焦り出すアサコだった










(すみません。少しおバカっぽいようなキャラになってますがそれでもいいよ!というかたはこのままお進みください)

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