Bloody Eclipse
□第34話 ヴァンパイアに変わる
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走った。
とにかく、走った。
死に物狂いで、走った。
だが、結局脱出は叶わず、俺は施設に連れ戻された。
「う…」
傷ついた身体。
捺されたばかりの、烙印。
痛みに耐えながら引き摺って歩いた。
だが、身体は耐えきれず倒れ込んでしまった。
もう、終わりか…
姉さん、すまない。俺はもう…
「哀れな人間よ」
永遠の命が欲しくはないか?
世界に復讐をしたくはないか?
「…」
差し伸べられた手。
優しい声。
ああ…この手を掴めば、彼女の願いを…
「さあ、おいで、ルキ」
こうして俺は、ヴァンパイアになった。