禁断の果実ができるまで
□第27話 その心理が分からない
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がちゃり、と扉が開いた。
「お姉、ちゃん…ルキが、クッキー焼いてくれた、よ…」
「…またアンタたち?いい加減にしてくんない?」
臭い。
しかも性懲りもなくアズサはアタシに話しかける。
ルキもこうして毎日お菓子を作ってはアズサに届けさせる。
毎日のお菓子に使った果物がユーマの作ったもので、コウも飾り付けたりしていることも知ってる。
アンタたち女子か。
「邪魔」
そう言うとアズサはごめんね、と呟いて部屋を後にした。
クッキーをごみ箱に投げ入れるとアタシはベッドに寝転がって眼を閉じる。
何故そこまでしてアタシに構うの?
生まれるべきでなかったアタシに。
異種族のアタシに。
アンタたちを邪険にするアタシに。
分からないね、何もかも。