禁断の果実ができるまで
□第12話 憎しみを知る
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「いいの?白薔薇を枯らしたカールハインツをそのままにして」
「!?…どういうこと」
「どういうことか?…そのままよ。嗚呼本当に可哀想なヴァンパイアだわ。」
「クリスタは…クリスタは!?」
「はあ…だから聞いていたでしょう?彼女は陵辱されて心を病んだのよ。殺すことも殺されることも叶わないままでね」
「嘘だ…クリスタと父様は愛し合っているはずだよ…」
「まあ、信じるかはシュリー次第だけれど。」
「それに…貴女の弟をカールハインツの好きにさせていいの?」
「何を言って…」
「さあ?カールハインツの所為かしら、彼らも随分とねじ曲がったみたいだけど」
「なんで…シュウちゃんたちのこと…」
「わたくしに知らないことなど無いわ。…それでも死にたいの?」
「ううん…赦せない…アタシから全てを奪った、カールハインツが…アタシを産み落とした、コーデリアが…アイツらを地獄に叩き落とさなきゃアタシは死ねない…」
「それが貴女の本性、ってことね。愛しい貴女、わたくしの妹。でも大丈夫、わたくしはそんな貴女も美しくて好きよ。」
ああ…怒りで狂いそう…すべてが溢れ出てくるようで。
「さあ、行きましょう。貴女を闇に放った奴らを殲滅するために。」
うまく導かれた気がする。
だけどそれでもいい。
気が済まないよ…この感情に…