禁断の果実ができるまで
□第33話 思わぬ再会
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ああ何で。
何でアタシは死ねないの?
嫌われてるのに、敵しかいないのに、何で生き続けなきゃならないの?
「シュリー、ちゃん…?」
顔を上げると、アタシが塔の中にいると知る。
そして声をたどればそこには小さな部屋。
中に入れば懐かしい顔があった。
「クリスタ……」
「ああ…シュリーちゃん、会いたかったわ…」
「何で…クリスタ…何で泣いてるの…?」
「会いたかったから…貴女に会いたくて仕方がなかったわ…」
「何で!?ねえクリスタ!アタシはクリスタの傍にいてあげなかった!傍にいたってきっとヴァンパイア臭に耐えられなかった!アイツから―――コーデリアやベアトリクスから守ることも赦されないアタシなのに!今だって何で泣きながら笑ってるの!」
「…シュリーちゃん、貴女が大切だから、かしら…だから会えて嬉しいの」
「わかんないよ…みんなアタシを嫌ってて何で…」
「一緒なの」
「わたくしもコーデリアもベアトリクスも、あの子たちも…みんなあの方に愛されはしない。だから、歪んでしまったのは一緒なの」
…そう思えるのはクリスタだから…
こんなどうしようもない呟きは風にかき消された。
「オフクロ、大丈夫か?って…おい誰だ勝手にここに入りやがったのは!」
「ああアタシ?エデンに居候してるただのヴァンパイア。」
「シュリーちゃん、」
「いーの。ま、このなりを見ればアタシが誰かは想像つくだろうけど。
…よけいな詮索するなよ、スバル」
「!?何で俺の名前…っておいっ!」