禁断の果実ができるまで


□第37話 愛してるのに
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メーネの代物を探す毎日。

つかの間の休息にふと気付いたこと。

「カルラ、」

「…なんだ、アルマ」

「……静かね」

「貴様は遂に頭がおかしくなったのか。」

それもそうかもしれない。

先程からシンがずっとキッチンでガタガタと何かを作っているのだから静かなはずがない。

なのに、何故なのかしら。

こんなこと、一度も無かったのに。

何故か静かに感じる。

それも、息ができないような苦しみを伴う静けさ。

「貴様、その気持ちが何か分かるか?」

窓の外を眺めるカルラが訊ねてきた。

考えていたことを察して聞いてくるあたりは長い間共に過ごした結果なのだろうか。

「…憎しみ、なのかしら。」

カルラと一緒に外を眺める。

視線の先にはエデンがあった。

「母と父を亡くしたときと同じだもの。だからカールハインツへの憎しみ、そのはずだわ」

どこか空虚で掴めないような心地。

すぐにでもあの子の笑顔を見たいと考えてしまう心。

脱け殻と化した親を見下ろしたときの、あの気持ち。

「そうか。」

「アルマ、貴様は本当に愛を知らないのだな」

カルラはそう言う。

そんなはずがないのに。

わたくしはあの子を―――シュリーを愛しているというのに。



 

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