禁断の果実ができるまで
□第48話 計画
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「私がアイツに使われるのは癪だが…仕方ないな」
愛しいあの人に会う為なのだから。
それに、最終的には私がアイツを使うのだから。
「この子は…これで助かるのですか!?」
人間の赤ん坊を彼の腕に返す。
「ああ、心配するな。」
「ああリヒター郷!神のあらんことを!」
くだらないな。
人外の者を最も邪険にする聖職者が、最もヴァンパイアに頼ってくる。
しかも今回は愛しい人の心臓を埋められたというのに…人間が馬鹿な生き物だとよく分かる。
お前の最愛の娘はこれで生贄の花嫁にならざるを得なくなったというのに。
あれから16年。
兄はきっとあの計画に乗り出す。
なんとしても阻止せねば―――