禁断の果実ができるまで


□第49話 床下の決意
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久々の気持ち。

幸せになりたいという気持ち。

いや、もしかしたらアタシはずっとずっと前から幸せを探していたのかもしれないけど。

やっと認めたアタシの気持ち。

大切にしたいものに気付いたんだよね?アタシは。

だけど知ってる?

アタシは幸せになんかなれない。

幸せになんかなってはいけないんだ。

どうやったって狂った歯車から逃れることなんか出来やしないんだよ。

だって、アタシは禁断の実だもの。





―――全ては、必然。





これはアタシの運命を指しているんだろうね?

だから、ねえ、ソクラテス。

アンタはアタシの始祖の血とヴァンパイアの血、どっちが幸せを導くか…って言ったけど、

始祖の血だってヴァンパイアの血だって穢れているアタシの血は…

絶対に幸せなんか描けない。

大体、魔族っていう時点で幸せは起こり得ないんだって思ってるよ。








だからさ、アタシは根絶やしにするんだ。

魔族だけじゃない、人間も何もかもを。







そう、


アタシがこの手で、壊すべき全ての、





全ての地獄を消し去るよ……












 

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