Bloody Eclipse
□第6話 こたえます
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違う、私は言えないだけなのに…そんなの綺麗事なのかも知れないけど。
「欲望まみれのユイちゃん、ほら、異議を唱えなよ。みーんなアンタの愛を欲しがってる。今決めろ。答えろ。その陳腐なモノをさっさとくれてやればいい。」
怖い。
蛇に睨まれた蛙よろしく私は息苦しさを覚える。
「さっさと人間くさい心を誰かにやって早くアタシのモノになってしまえよ」
「なん、で…!」
早く息を吸いたい。でもうまく吸えない。
「わかんない?苛つくの。異種族のくせにこんなに愛されちゃってんのがね」
光る蛇目が私を捕らえる。
「ほら、答えろよ」
女性らしからぬ低い音にもう私は逃げられなかった。
「私は…っ」
「なあに?」
「私は…誰のモノでもないっ…!だからっ」
「誰の想いにも応えられないの…っ!」
あ…言っちゃった…
「それが答え、なわけ?ふうん」
殺されると覚悟する。短い人生だったな…そんなことをふと思ってしまう。
「まあアンタにしては優秀じゃない?アダムを選ばないことに関しては褒めたげる」
「だってアンタは」
始祖だから