Bloody Eclipse
□第5話 お姉ちゃん
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「家畜、」
「あ、ルキくん…」
突然の冷たい声に返事の催促をされていると嫌でも分かる。
「はあ、まったく…勝手によその家に入るなど図々しいにもほどがありますよ」
レイジさんがそう言ったってこの人たちは絶対に止めないのだけど。
「やっほーエム猫ちゃん!って…おねーちゃん!?」
「あっちゃー…もう見つかったかぁ」
びっくりするコウくんに私も思わずびっくりする。
無神家とも知り合いなんだ…顔広いのかな、シュリーさんは。
「なんでこいつらんとこにいんだよ!?」
「ていうかそっちこそ見つけんの早くなぁい?」
ユーマくんも驚いている。
「ふふ…でも、よかった…」
「ああ、あのこと?」
「はあ……何で姉さんがそれを知っているんだ」
「んっふっふー♪シュリーちゃんを舐めちゃいかんよー」
「まあ…知っているなら邪魔するなよ」
「ええー!やだ、気分次第ー!」
あの笑顔…ルキくんが家族にしか見せない顔だ。
「おい」
「ああ、すまなかったな。逆巻シュウ。」
「おい!どういうことだよ!」
「あー…ウザイ。少し黙っててくんない?今こっちは大事な話してんの」
「イブ…大丈夫、だよ。だって…」
「姉が邪魔したな、逆巻。」
「はあ!?こいつは俺の姉さんだっての!」
「悪いが生憎シュリーは俺達の姉だ。例えお前たちと姉さんが血を分けていてもな」
えっ…まさか…
「ちょっとー、今逆巻と無神がほんとは兄弟なの?とか思ったでしょ、エム猫ちゃん」
「う…ううん!」
必死に首を横に振る。
「この人たちと兄弟なんて死んでも嫌です。テディも嫌がってます」
「俺もお前たちと兄弟になる気はない。」
「ふうん…結構仲良さげには見えるけど?小鳥ちゃんの取り合いしてるアダムたち、って感じでさ」
にやり。
あ…この笑い方、アヤトくんそっくりだ…
なんて呑気なことを考えてる場合じゃなかった。
「まったくどっちが捕食者なんだかねえ…小鳥ちゃんも大したもんだよ。ヴァンパイア10人に弄ばれてそれでもアダムを決めないんだから」
「ちがっ…」
「違わなく無いでしょ?欲望まみれのユイちゃん」