禁断の果実ができるまで
□第18話 執行後の束の間の
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「よし、と」
目を開くと万魔殿の明かり。
事が終わったことを噛み締める。
名前、呼ぼうとしてくれてたな…言えないまま死んじゃうのは可哀想だったかなあ?
「終わったのね」
そう言うとアルマは向かいのソファに座る。
「姉さま!凄い計画だったでしょ?操作能力使うまでもなかったし、我ながら満足してるんだ♪」
「ええ、とても美しい計画だったわよ。お疲れ様。」
「ありがと、姉さま。あ、心臓はちゃあんとリヒター叔父様に託したから大丈夫だよ」
そんなことしなくたって絶対リヒターがやるだろうことは変わりなかったけど。
だって、どうせ母様は父様に逢うべく手段を立てるはずだと確信していたし、
リヒターがそれを遂行する以外道がないのは一目瞭然だったから。
ねえ、母様。
次現れるときも、いっぱいアイシテアゲルからね。
……愛してなんか無いけど。