禁断の果実ができるまで


□第9話 始祖は消えたのに
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あれから何年?

200?

いや、300?

とにかくとてつもない時間が過ぎた。

あの日万魔殿に閉じ込められてからシュウにもレイジにも一度も会ってない。

もちろん、ほかの兄弟も後から生まれたのは知っているけど、会ったことはない。


…わからない。なんでなのか。

腹いせ?妬み?

逆巻への怨み?

なんでヴァンパイアのアタシが始祖の居城に閉じ込められるのかわからなくて。

けどアタシは逆巻という名字を名乗れない。

逆巻への怨みでないなら…何だろうか。

アタシには分からなかった。


本当に酷い毎日だった。地獄だった。

殺され、また再生してはすぐ貫かれる体。

本当に死ねるのならいいのに、不死身ゆえの苦しみをかみしめざるを得なかった。

それは傷が塞がっても変わらない。




エンデツァイト―――不死の始祖を死滅させる、謎の病が流行って、手に入れた力で始祖を駆逐して。

だというのにアタシの魔力でアタシを消すことが出来ない。

試してみたけど、変わらず生きたままだった。

エンデツァイトの流行に乗じてあれだけの始祖虐殺を繰り返したんだ。

もういいでしょ?

始祖はいなくなったんだから。

だって誰も来ない、静けさ。



ああ始祖は全滅したのかな。



そんな気がする、から。


もう死んだって良いでしょ?




なのに、アタシは生きている。













未だアタシは生きている…







 

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