禁断の果実ができるまで


□第13話 愛しい母様、夢
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愛しい母様。

アタシの母様。

魔王の娘。

アタシを虫けらと呼ぶ人。

「母様」

冷たい床を静かに歩く。

「何、またアンタ?」

ソファに男と2人座る母様。

昨日と違う男が母様の隣に座る。

「どうして、突き落とすの…」

石畳に落とされた弾みで折れた足の修復が間に合わず、よろけそうになる。

「そうね、アイシテルからかしら」

そうか…母様はアタシを愛してるから突き落とすんだね。

分かった、いつかアタシがこのベランダから突き落としてあげる。

だってアタシは母様を愛してるから…









「ってこともあったなあ」

久し振りの夢を見た。

母とアタシの、会話。

ねえ、母様。

もう愛してなんか無いけどその思いは果たしてみせるから心配しないでね?

 

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