Bloody Eclipse


□第38話 黒髪の過去
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黒髪の少女、

アタシと同名の少女、シュリー。

過去を探って、見たもの。



片田舎の路地裏に捨てられた赤子。

押し込められて労働を強いられた孤児院。

見世物として売られ、代わる代わる身体を汚された一室。

陵辱され、虐げられる恐怖の日々。

突然男に手を引かれ、連れて来られた屋敷。

孤児院を出られた喜びもつかの間、

毎日のように閉じ込められる拷問部屋。

それを知った男の一人息子。

守ると言いながら守りきれない現実を目の当たりにした兄の涙。

そんな姿に馬鹿だと思いながらも同様に嘲る自分自身。






アタシ、人間なんて能天気さ故に人生八割方幸せに生きるんだと思ってた。

小鳥ちゃんも、嶺帝学院の生徒も、みんな何だかんだ幸せそうに生きるときが多いから。

でも、この子の人生は絶望しかない。

幸せなんかない。

安らぎも、ない。

人間の闇の運命とも言うべきなのか…

幸せになる日など来ないけど、

もし彼女にそんな日が来たらいいのになって、

やっぱり、アタシはどっかおかしい。

 

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