Bloody Eclipse


□第33話 走れ
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遂に決行の日。




「走れ!」




姉さんが出した合図と共に俺は皆に指示した。

四方八方子供が柵を抜け、走る。

「逃げるぞっ!捕まえろっ!!」

ここから出て俺たちは青空を見るんだ。

そして願いを叶えなければならない。

だから走る。

姉さんは自らの命をもって今日の悲劇を終わらせるから…俺達は、必ず、生き抜くんだ。

「教官っ…!大変ですっ!あの娘が施設に火をっ…!」

だが、所員が気付いたのが早かった。

「皆っ!早く逃げて!!」

一緒に走ろうとしない姉さんの声に反応して後ろを振り返る者もいる。








だが…俺たちは生きなければならないんだ!!








「止まるな!走れ!」

必死に声を上げながらもっと早くと走る。

「おねーちゃん!!」

もう会えないと気付いてしまったコウに姉さんは強く、強く声を張り上げる。

「いいから早くっ…!逃げて!!」

姉さんに銃口を向けられ、やっと理解したのか頷いたコウの手を取る。

「コウ!行くぞっ!」

俺はコウを無理に引っ張りながら走っていく。

銃声が鳴り響いた。

「まずいっ!コウ、あそこに後から来い!!」

俺は瞬時にコウを生い茂る草に放り投げ、気を引くために集合場所とは反対側に走った。

俺は特に所員の目に留まるような振る舞いをしていたから、これで何人かは逃げ延びるはずだと信じて、走った。





この世界を変えようとしてきた唯一無二の姉のために…!!


 

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