Novel 3

□『漆黒王と竜の宝剣』
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ゴラド王国は大陸でも一番の大きな国で、周りには大小の王国や帝国がある。

気候は年中温暖ではあるが、北の国境に聳える山脈の頂は真夏でも白い雪が消える事は無い。

山からの湧水は渓谷を形成しながら『不可侵の森』を抜け、穏やかな河川となって広大な大地を縫うように南の海に流れていく様は竜が地を這うような印象を与える。

ゴラド王国は昔から竜が棲む国と崇められている。

竜が通る大地は肥沃になり、多種多様な生物を生み出し農林漁や畜産等、自然の恵みは竜の恩恵だと感謝し国民の生活を潤している。

その一方で地震、嵐、洪水、干ばつ等の災害や原因不明の病も『不可侵の森』の泉に生息している竜の采配によるものだと考えられている。

国民は竜のシェンロンが通って出来たという『シェンロ川』に畏怖の念の対象を持ち、敬虔の祈りを捧げるのだ。





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