Novel

□『Drunk Rady』★
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家に帰って来ると、つけっ放しだったTVからアップビートの曲が流れていて
数人の男達がダンスをしながら歌っている番組に変わっていた。

よろよろと俺の後に続いてリビングに入ってきたラディッツは曲を聞いた途端に元気になり
自分の尻尾の半分位の所を持ちぶんぶんと腰のあたりで振り回し
ヘイヘイ!とかイエ〜イ!とか言ってお尻を振って一緒になって踊りだした。

「ご機嫌だな あんまり動くと酔いが回るぞ」

と、俺は呆れながらラディッツに言った。

聞いていないのか「見て見て親父〜〜」と クルクル回ってあははと一人で笑っている。

千鳥足なんじゃねぇか?酔っ払いめと茶々を入れ キッチンに水を取りに行った。

突然 ラディッツの声が聞こえなくなり ふと見ると後姿のラディッツが俯きながら立っていた。

「ラディ?」

「・・・・」

「おい!どした?」

「・・・・」

「ラ・・」


あ・・・ヤバい予感


「・・・おや・・・持・ち・・悪・・い・・・・・・吐く」


肩を竦めえずく様子に焦る。


「ちょちょちょっ!待てぇぃ!!我慢しろっ!」

一気に血の気が引いた俺はペットボトルの水を放り投げ ラディッツを抱え上げトイレに走る。


「ううう・・・うっぷ」


両手を口に当て 頬を膨らませるラディッツ。


* * *

「ったく、言わんこっちゃない」

「う“〜〜ゴメン親父」

何回も謝ってくるラディッツだがその度に溜息が出る。

何とか間に合ったが、それでも長い髪には少し汚物が付いてしまった。

トイレから風呂場に直行して、髪の毛と身体を洗ってやり、バスタオルで拭いてあげて、そのまま腰に巻きつけ、
壁に取り付けてある威力のあるドライヤーの下に未だフラフラと揺れているラディッツを立たせて髪の毛を乾かし、
また肩に担ぎ上げ、どさりとリビングのソファに無造作に落とした。

やっと自分のハーフパンツを履いてシャツに袖を通してさっき放り投げたペットボトルを取りに行き、
ソファに寝ているラディッツの足元に腰を掛けた。

蓋を開け一口飲む。

「いるか?」

「うん、・・・ちょっと待って」

酔っているせいでいつも以上に全身が艶めいているラディッツに問いかけると、
長い髪の毛が身体の下に入り込んでいて痛いらしく、
綺麗な眉を寄せ少し上体を起こして両手をうなじから
頭頂部に滑らせてクッションの上側に毛先まで出していた。

そしてまたクッションを枕にしてソファに沈み込んだ。

そんな色っぽい仕草を見せられたらスイッチが入りそうだ。


「ちょーだい」と熱い視線で水を強請り、腕輪がある左手を伸ばしてきた。

長い指が小指から人差し指へ折り曲げられていく。

そしてまた広がっていく様に目を奪われていく。

「お前、誘ってんのか?」

「親父、何言ってんの?んな訳無いでしょ」とクスクスと笑っている。

いやいやいや、じゃあ何でお前の尻尾が俺の頬を擽ってんだ?

「早く頂戴よ」

って、何でまたクスクス笑って両手を広げてきたんだ?

「ったく、それでこの俺を誘惑出来ると思ってんのか?」

まだまだ早ぇ〜よクソガキがっ!とペットボトルをラディッツに投げる。

「わ〜っ、投げるな!蓋して無いじゃん!もう!少し零れたよ!冷たいなぁ」

「少しはそれで酔いも醒めるだろ」

「んーまだグルグル天井が回ってるみたい」

「弱っちーな。少ししか飲んでないんだろ?」

「カクテルって気持ちい〜ね」

うふふと顔を綻ばせるラディッツにコッチは呆れ顔だ。

ったく、リバースしたくせに何を言ってんだか。

口を少し尖らせてペットボトルの水を飲んでいる
ラディッツの上下する喉を見ていると邪な考えが湧いてくる。
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