Novel 2

□『 隊長の小さな溜息 』
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コンコン



「・・・・・・隊長?」





んー・・・・ドア開かない。いないのかな?

ランチタイムも残り少ないんだけどな・・・。また出直すか作り直してくるかな。




もう一回・・・ドアを叩こうとしたらスーッとドアが開いた。



「お〜ラディッツ。悪かったな、まだ認証登録して無かったから・・・もう大丈夫だ。入れ」


「・・・はい」





最強の特戦隊の隊長の部屋でもセキュリティって必要なのかな?なんて、ふと思ってしまった。中から外の廊下は見れるし。

んで不穏な輩がいれば速攻で殺されてしまうだろうし・・・。

まぁ、遠征で留守にしている時とか・・・やっぱり必要なのかな・・・。




セキュリティの問題で幹部の部屋はその部屋の幹部が認証した人ではないと外からは開かないし入れない。

俺は隊長の飲み友である親父の息子だから優遇されたのかも。




下級戦士の新人のサイヤ人なんて幹部にはまず認証されないのだが、この前ザーボン様にも認証頂いたからな。



でもザーボン様の場合は俺と×××だから・・・。




「どうした?・・・顔が赤いぞ」



やば〜っ!

隊長の部屋で先日のザーボン様との事思い出しちゃった。



ザーボン様との営みは激しくて苦しくて・・・でも気持ち良くて・・・。


初めての時は殺されるかと思って怖かったけど・・・今は俺を甘やかしてもくれる様になって意外とお茶目でキス魔で・・・何回もイかされて・・・。



そんな事を思い出して・・・赤くなっちゃったんだ。


ザーボン様に俺はすぐ顔に出るから気を付けろって言われたんだっけ。




ザーボン様と隊長は犬猿の仲だから気を付けないとな。

隊長も洞察力は凄いから。




「い、いえ・・・失礼しました。それより御所望のモノをお持ちしました」


「お〜、飲み会の時にバーダックに頼んだからちゃんと伝わっているか心配だったがな、どれどれ、ちょっと見せてくれ」


「あ、はいっ・・・・」




隊長を筆頭に特戦隊の人達は甘いモノに眼が無い。



ちょっと前にジースさんが隊長にチョコレートパフェをプレゼントした時に、俺が作り方を教えたのが隊長に分かってしまって・・・。


っつーか内緒にしてればいいのにジースさんが俺に教わったなんて言っちゃうからさ。


流石隊長には素直な(恋する乙女の)ジースさんだなぁ。


まぁジースさんがデザートのお菓子類や料理作れないって隊長知っているもんだから誰が作ったんだなんて聞かれて正直に俺って言ったみたいだ。




まぁ、バータさんとでも軍の受付の横にあるカフェでチョコパフェでも食べた時に聞いたのかな?


まぁ、俺が料理好きっていうのは知ってるしね。





隊長が家に来た時に丁度アップルパイを焼いていて、親父と飲みに出かける筈だったのに居座っちゃって、急遽家飲みになったからツマミを作るのが大変になちゃったんだっけ。


親父も食べ慣れた俺の料理なんかより、たまには料亭の料理が良かったんだろうな。


親父は隊長と飲みに行くと、いつもよりいい居酒屋って言うか料亭みたいな所に連れて行ってくれるしゴチになれるから楽しみにしていたんだけど、隊長が俺のアップルパイ食べるまでは行かないってお尻から根が生えたみたいに動かなくなったもんだから親父も諦めたんだ。


あの親父が諦めちゃうってウケたよなぁ。


後で、お前がパイ作ってるから飲みに行けなかったって、何故かお仕置きされちゃったんだっけ。



ったく、なにか理由付けしてHに持って行くのは止めて欲しいっつーの。


で、あの時は急だったから全然粗末な物しか出せなかったのに隊長は喜んでくれて、特にデザートのアップルパイには感心してたっけ。


先日の軍の飲み会の時に親父に俺のアップルパイが食べたいから作ってくれるように言ったらしい。




「お〜、美味そうだな」


「すぐ食べますか?お茶入れますけど」



「ん〜〜、すぐ食べたいのは山々だが、これを片付けなくてはならんのだ」



そう言って眉間に皺を寄せながらコンピューターを睨みつけた隊長。


「・・・報告書ですか?」


「いや、勢力分布と今後の占拠予定の惑星の企画書だ。プレゼン用なんだけど、読み上げ機能が調子悪くてタイピングしないといけないんだが、指が太くってすぐに二度打ちしちまうんだよ」



「大変ですね。・・・じゃぁ、ここに置いて置きますので後で食べ」


「ラディッツはタイピングできるか?」


「へっ?・・・・あ、・・・・・っと大した事無いんですけど一分間に1000打程です」


「お〜、流石若者は違うな。ちょっと手伝ってくれるか?」


「え?企画書って俺ごときが見てもいいんでしょうか?事務の人はいないんですか?」


「皆ザーボンに取られたんだ。まぁんな大した事書いていないしな。あぁ、これから何か仕事あるのか?」


「あ、いえ、訓練だけですけど・・・チームリーダーには何も言ってきてないんですが・・・」





ランチタイムに隊長にアップルパイを届けるだけと思っていたので、リーダーには言ってはこなかった。


「訓練なら・・まぁ俺が言えば嫌とも言えまい。リーダーに連絡しろ」



連絡したらギニュー隊長が割って話したので、偉そうだったリーダーの話し方が一瞬にして変わった。




有無も言わさない雰囲気。




流石隊長って言うか・・・・





この強引な俺様具合は良く知っている。







・・・・何故か背筋がブルっとした。








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