Novel
□『あこがれの戦闘服』
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「おう!ラディッツ。帰ったぞぉ〜」
「お父さん、お帰りなさいっ!」
「はは、すげー力だな」
お父さんが2週間の遠征から帰ってきた。
嬉しくってお父さんに飛びついちゃってギュってしちゃった。
怪我もしていないみたいで良かった。
「お腹空いたでしょ?でも・・・・」
「でも、何だ?」
ちょっとお買い物が遅くなっちゃってまだ出来てないんだ。
「・・・ごめんなさい。・・・もうちょっとなんだ」
「なんだ・・・じゃあ先にシャワーしてくるから。あほっ。んな事で涙ぐむなよ」
お腹空かせて帰って来ているのに御飯が出来ていなかった事もそうだけど、お父さんが帰って来て嬉しいから涙が出ちゃったんだよ。
床に下ろされて頭ガシガシされて、お父さんはお風呂場に行ってしまった。
今日はカレーだ。出来上がりまでもうちょっと。
学校の帰りにお肉屋さん寄ってザブトンメンチ買ったら、おまけだよってコロッケ一枚もらっちゃった。
そうだ。お父さんにタオル持っていかなくっちゃ。
どうせ着替えも持っていかなかったんだろ?絶対呼ばれるから先に持っていっておこう。
脱衣所にはお父さんのアームカバーやらアンダーが籠の中に。
そして、籠の横に戦闘服が置いてあった。
そうか、部屋に行かなかったからココにあるのか。
戦闘服・・・お父さんの戦闘服ってかっこいい。
僕も大きくなって軍に入ったら戦闘服着る様になるのかな?
どんな感じなんだろ?
ちょっと・・・・
ちょっとだけ着てみたい。
でも大きそう・・・だから横にして・・と
下から・・・ハイハイして・・・・あはっ、トンネルみたい。
よし、起き上がって・・・・よいしょっと。
ッ!!!!!
も〜大きいから肩に引っ掛からなくてスポッと抜けちゃった。
ちょっと持ち上げてこっちの肩だけに引っ掛けてっと・・・。
「おいっ!何やってんだ?」
「わぁ〜〜〜〜っ!」
風呂場のドアが開いてお父さんが出て来た。
驚いた僕は戦闘服を下まで落として、焦って脚を絡ませて倒れて・・・・
しまう前に、お父さんが腕を掴んでくれたので転ばなかった。
「あっ、あっ、、ごめっ・・・なさい」
お父さんの戦闘服で遊んでたと思われちゃって怒られる。ふぇっ
「ぶはっ、お前にはまだ大きいな」
お父さんは笑いながら、ヒョイっと浮かせて僕を戦闘服から出してくれた。
「僕、お父さんみたいに大きくなるのかな?」
お父さんはバスタオルで髪の毛や身体を拭いている。
「サイヤ人は子供の時は、細かったり小さかったりするんだ。俺もお前位の時は小さかったからな」
「えっ?本当?」
こんな身体が大きいお父さんが小さかったなんて想像がつかない。
「まぁサイヤ人が大きくなるのは18・・ハタチ位からだから心配するな」
「へぇ〜」
目をまん丸にして驚いていた僕にお父さんはまた頭をガシガシしてリビングへ行ってしまった。
お父さんも小さかったんだ。
っていうかお父さんも子供の時があったんだなって、なんか変な感じ。
僕も頑張ってトレーニングすればお父さんの様になれるのかなって、自分が戦闘服を着ているのを想像しちゃった。
「お〜い、ラディ〜。腹減った〜」
お父さんが悲壮な声を出して僕を呼んだ。
お父さんは御飯いっぱい食べるんだ。
お父さんのようになるには・・・それにはまず僕も御飯いっぱい食べなくっちゃね。
「今、行く〜っ!」
今日も美味しく出来たであろうカレー。
お父さんと一緒に全部食べれば、僕も強く大きくなれるのかなって、お父さんがいるキッチンへと走っていった。
End
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