Novel

□『Labyrinth』★
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〔side Burdock + team of Burdock 〕



二か月の遠征が終わった。

「今回の惑星(えんせい)は手応えがあったな」

「こんなんで満足してるのかい?トテッポ」

「相変わらずキツいなセリパ」

「そんな男勝りじゃ嫁の貰い手が無いぞ」

「煩い!パンブーキンのバカ!大きなお世話っ!べぇ〜だ」

「セリパの相手してあげられるのはトーマ位か」

「な、なんて事言うんだよトテッポ」

「隠しているつもりだったのか?バレバレだぞ」

「制圧した後、二人で何処かにしけこんで ぶほっ」

パンプーキンとトテッポの二人がセリパの事をからかっているいつもの風景を尻目に
3人とは少し離れた所に腰を下ろし 脚を組んで顎を支えている肘を膝に乗せて
物思い(俺がいなくて寂しがっているであろうラディッツとのあんな事やこんな事)にふける。


「早くラディッツとやりてぇ」とボソッと一言こぼし、すくっと立ち上がり

「うおぉぉぉぉ〜〜〜!!やりてぇ〜〜っ!!」

と絶叫した大声に3人が振り返り、「またか」と俺に冷たい視線を送る3人。



「だから 昔みたいにあっちで手頃なのを見繕って抜いとけば良かったんだろうに」

「息子に操でもたててんのか?」

「まったく、毎回毎回煩いんだよ!」


ふんっ!うぜぇ野郎共だぜ。この俺に容赦ない言葉をかけやがって。


「トーマの野郎はまだかよ!相変わらずトロ臭ぇ奴だぜ」

「ちょっと!本当ならアンタの仕事でしょ。上への報告は」

「んなまどろっこしいのは嫌いなんだよ。トーマの奴がお似合いだぜ」



「おっ、来たぜ」

「お待たせ〜。みんな泣いて喜ぶお知らせだぜぃ」


「「「何だよ?」」」

「明日からまた10日間、遠征だぞ」

「「「え〜〜〜〜〜つ!!!????」」」

「音声多重か」

「帰ってきたばかりなのに?」

「やい!てめぇ!ざけんじゃねーぞ!」

「寝言は寝て言えっ!」

「はいはい。ふざけてもないし寝てもないから寝言でもありませんよ」

「どういう事?」

「応援だとさ。ナンチャラ星に行った奴らが二人やられちまって他の奴らだけだとヤバいらしいって」
 
「他のチームに頼めなかったのかい?」

「空いているのがウチらだけだったんだよ。断ってもみたんだけど
片道3か月の遠征とどちらがいいですか?なんて言われちまって・・」

「あんのカエル野郎(ザーボン)め」

「明日の朝9時には出発だ」

「「「 9時っ!!!???・・・」」」

「こき使うなぁ」

「さっさと帰るぜっ」


「ちょっと待て、これが明日行く星の資料だっ!て、いねぇっ!」

「行っちまったよ」

「まったくプログラミング出来ないだろうがっ!こればっかりはヤツじゃないと・・・」

「トーマ、届けてやれよ」

「トテッポが行けばいいじゃん。どーせ一人で暇だろうし」

「へぇ、トーマは一人じゃないんだ」

「ニヤニヤするな!俺が行くからっ!じゃあ、明日30分前には集合だからな」



* * *


ラディッツを早く感じたい。

雲一つ無い空を飛行しながら、今日はどんなふうに啼いてくれるかと
記憶の中のラディッツの痴態を思い出しニヤニヤしながら飛行する様を
他人が見れば不気味で関わりたくないと思うであろう。

んな事は知った事じゃねぇ。


一分一秒でも一緒にいる時間を無駄にしたくないと思い、飛行する速度を上げた。
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