中編
□俺と君の交渉交遊
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アイツと出会ったのは、偶然だった。
いつものように路地裏に行って、猫と戯れていたら
「おっそ松くぅ〜ん」
「あっそびましょ〜」
これまたいつものように喧嘩好きのクソ長男に間違われて喧嘩を吹っ掛けられた。
クソ長男のおかげで喧嘩慣れしたせいか俺を含め、兄弟は皆喧嘩が強い。
まぁ、強いと言っても人並み以上ってだけで一人で大人数を相手にするとやられるときだってある。
現に今
「こいつ弱くね?」
「おそ松じゃねぇんじゃねぇの?」
「あー、例の兄弟の誰か?」
「げほっゲホッ」
俺は倒れていて髪を掴まれ、無理やり顔をあげさせられている。
掴まれて引っ張られているから頭皮が痛い。
だが、それ以上にバッドで殴られた後頭部が痛い。痛いと言うかガンガンとずっと殴られているような、脳を直接揺らされているような感覚がする。
気持ち悪い。
不良どもが何か言っているが入ってこない。
段々 意識が薄れていく。
もうダメだ。
そう思ったとき、声が聞こえた。
『何々〜、寄って集って集団リンチ?だっさぁ』
その場に似合わない明るい声と笑い声を最後に俺は意識を手放した。
end