恋人は公安刑事 石神教官(別設定ヒロイン)

□恋人は公安刑事 石神教官(別設定ヒロイン)4
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□教官室
幸子
「失礼します」
石神
「入れ」
幸子
「はい」

私はドアを開け部屋に入ると
黒澤さんが石神教官を一生懸命説得しているようだった

黒澤
「これを終わらせないとダメなんですか?」
石神
「当然だ、お前は何年俺の部下をやっている」

黒澤さんは指を折って部下になった年数を数えている
その様子を見る石神教官は呆れた表情をする

石神
「お前は例え話も理解出来ないのか?」
黒澤
「じょ、冗談ですって☆」
幸子
「あのー」
黒澤
「吉川さん お疲れ様です☆訓練初日どうでしたか?」
幸子
「確かに想像以上にきつかったですが、入学したからには頑張ります」

私はグッと拳を握って見せる

黒澤
「おー頼もしいですね〜石神さん」

石神教官は、不敵に微笑む

(その笑顔、怖いんですけど・・・)

石神
「まあ口だけにならないようにな」
幸子
「は、はい」

(相変わらず一言がキツイなー)

黒澤
「ところで吉川さんは、なんでここへ?」
幸子
「あー呼ばれました」
石神
「ああ、書類整理を頼む」

その時、黒澤さんの目が光った

黒澤
「やっぱり〜ちゃんと歓迎会の事考えてるんじゃないですか〜☆」
石神
「この量で終わるとでも思っているのか?終わらないと2人とも、出席できないぞ」

今度は、石神教官の目が光る番だ
石神教官のデスクの上には、山積みになった書類がある
黒澤さんは観念したのか、書類の整理に取り掛かる

幸子
「私は、何をすればいいでしょうか?」
石神
「まずは、これを全てコピー取ってくれ」
幸子
「わかりました」

それからしばらく静かな室内で作業を進め・・・
られることもなく、黒澤さんが、あれやこれやと話しかける
途中石神教官の雷がなっても、黒澤さんはさほど気にすることもなく
話をしながら作業を進めている

(もしかして、黒澤さんって本当は凄い人なのかも?)

(黒澤さんは、石神教官と私の事知ってるのかな?)

(石神教官は自分から話すタイプじゃないから、言わないと思うけど)

私は、黒澤さんからただ者じゃない感じを強く受けた

予定時間を少しばかり過ぎて私たちは、歓迎会に向かった



(アレ?もう朝?)

石神教官
「おはよう幸子やっとこの時が来たな」
幸子
「この時?」

私は眠い目をこすり、起き上がる
目の前には、タキシードに身を包んだ石神教官

(カッコイイな)

幸子
「?どうしたの?これから潜入捜査?」
石神
「何を言ってるんだ、これから結婚式だぞ」
幸子
「け、けっこんって、殺人現場にある・・・?」
石神
「それは、血痕だ!」

石神教官は、ちょっと困った様に眉を寄せ
これ以上ない優しい笑みを浮かべる

(あれ?昔一度だけこの笑顔見たことがある)

石神
「相変わらずだな幸子は、俺たちの結婚式だ」

状況を把握出来ない私を見かねたのか、石神教官が続ける

石神
「覚えてないのか?」
幸子
「え?」
石神
「お前が施設を出る時、“大きくなったらお嫁さんにして”と言っただろう」

(ヤバい・・・覚えてない)
(これは、言った本人は忘れてて、言われた人は覚えているパターン・・・)

石神
「そして、その時が来たんだ」
幸子
「ちょっと待ってください教官!」

石神さんは、悲しそうな顔をする

石神
「昔の様に呼んでくれないのか?」

(昔・・・)

幸子
「秀兄・・・?」

その時目覚ましのけたたましい音が鳴り響く

幸子
「うわぁぁぁーーー夢、夢―――」

(なんて夢を見たんだ・・・)

私は手を胸に当てる
想像以上にバクバクと心臓が脈を打っている
(とりあえず落ち着こう)


私は、洗面所に向かい顔を洗い歯を磨く
コーヒーを入れるためにお湯を沸かしながら昨夜の記憶を辿る

(昨夜は、歓迎会でお酒を飲んで・・・)

夢の中での教官の笑顔を思い出す
その笑顔は、昔の面影を残すもので、同時に胸の奥に切ない痛みを感じた


ストーリー5に続く 更新をお待ちください
 

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