恋人は公安刑事 石神教官(別設定ヒロイン)

□恋人は公安刑事 石神教官(別設定ヒロイン)2
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ストーリー2
コンコン
ノックの音が部屋に響く

??
「失礼しま〜〜す☆」

場違いな明るい声を発し、若い男性が入室してきた

(教官かな?でもなんか違うような・・・)

??
「はじめまして 吉川さん」

私は名前を呼ばれてビックリした

石神
「やっとノックすることを覚えたな・・・」

石神教官は、うんざりした顔をする

石神
「こいつは、黒澤。俺の部下だ」
黒澤
「はい 入学おめでとうございます〜☆難波室石神班のアナタの黒澤透です〜☆」
幸子
「は、はじめまして黒澤教官 吉川 幸子です」

私は、深々と頭を下げる

石神
「こいつは、教官じゃない」
幸子
「え?そうなんですか?」

黒澤
「そうなんですよ」
「だ・か・ら 黒澤さ〜ん とか、透さ〜んって・・・」
「でも、オレの方が年下だから、黒澤!とか 透!!!でもいいですよ〜」

黒澤さんは、何故かワクワクしている
私がアタフタしていると石神教官は深いため息を吐いた

石神
「で、何の用だ?」
黒澤
「はい、石神さんが女性の補佐官を付けたって聞いて」

(え?)

その時 石神教官はとても迷惑そうな顔をしていた

石神
「で?」
黒澤
「で?と言われましても・・・」

石神
「ここでは性別は関係ない」

(やっぱり見た目通り厳しそう)

黒澤
「ですよね〜」

黒澤さんはつまんないとでも言うように口を尖らせる

幸子
「黒澤さん まだ分からないことだらけですが、どうぞよろしくお願いします」
黒澤
「はい、よろしくお願いします 一応公安では先輩ですからね〜」

そう言って私の両手を取り、ぶんぶんと握手をする

(なんか、憎めない人だな)

黒澤
「明日、訓練生の歓迎会をしますので、もちろん石神さんも参加ですよ〜」

石神教官はこれ以上ないくらいの溜息を吐く

石神
「仕事の都合がついたらと言っておいたはずだが」
黒澤
「もちろん承知していますよ〜」
「でも、そんな事言ってたら、何もできないじゃないですか〜」
石神
「……ところで報告書は持ってきたんだろうな?」

一瞬メガネの奥が光った

黒澤
「はい、持ってきました」

黒澤さんは、石神教官に分厚い書類の束を渡す

(うわぁ、凄い量)
(いやいや事件が長引けばそれなりの報告書の量になるはず)

石神
「吉川」
幸子
「はい」
石神
「明日から、本格的な訓練が始まるが、今日はこの報告書に目を通しておけ」
「少しでも公安の意味を理解するのにはいい機会だろう」

私は、さっき黒澤さんが石神教官に渡した報告書を受け取る
それは、何人もの捜査員の汗が染み込んでいるようで 
ずっしりと重かった

しばらくして、黒澤さんは本部に戻っていった

嵐が去った静けさとは、この事だろうか・・・

幸子
「黒澤さんって楽しい人だね」
石神
「煩いだけだ・・・ところで・・・」
幸子
「?」
石神
「…」
幸子
「なに?」
石神
「俺は公私混同はしない」
幸子
「はい」
石神
「どこで誰が見てるか分からないときは、敬語で話せ」
幸子
「わ、わかりました」
(そりゃそうだよね・・・)
なんとなく寂しい気持ちになる
石神
「そんな顔をするな」
幸子
「え?」

石神さんが私に一歩近づき伸ばしかけた手を引っ込める
そしてくるっと背を向けてしまった

石神
「書類に目を通さないと、睡眠時間が無くなるぞ」

幸子
「そうだ、では明日からよろしくお願いします」
私は深く頭を下げる
石神
「ああ こちらこそよろしくな」
石神教官は、ぎこちない笑顔を作る
その笑顔は、昔私が石神教官に初めて向けられた
幼い頃の笑顔と似ていた
(笑うのが苦手なんて・・・)
私は複雑な思いを秘め寮に戻った

ストーリー3へ続く(カミングスーン)

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