ワンライ二次創作

□2017/10/28ワンライお題「約束」恋人は公安刑事 石神VS加賀
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お題「約束」
恋人は公安刑事 石神秀樹VS加賀兵吾


すっかり季節は秋
日差しは厚い雲に覆われる

「過ごしやすい事に越したことはない」

この季節になると
同じ寮の同室になった当時の
加賀との約束を思い出す

それは唐突に俺が言い出したことだった

「互いに干渉をしない」

「あ”?」

加賀の眉間に皺が寄る
衝突ばかりで相いれないのは百も承知だ
その上で迷惑を被るのは我慢ならない

そう当時の俺はそう思っていた

「約束だ」

「ほう」

と一言発し加賀は部屋を出て行った



しばらくして加賀とコンビを組んで捜査にあたる機会があった

相変わらず”勘”で動く加賀に苛立ちが沸き上がったが
自分から言い出した”干渉しない”という約束に囚われていた

(加賀は覚えているのだろうか?)

しかし自分から言い出したことを曲げるわけにいかず
それによって加賀に借りを作りたくなかった

捜査は順調に進んでいるように見えた
しかし俺の入手した情報を精査していくと
どうも探りを入れる方向が間違っているのでは?
という疑問に辿り着いた

(これは干渉ではない、忠告だ)

事の顛末を加賀に話す

「で?テメェはどうすんだ?」

「誤情報の発信元を特定する」

「俺は、このまま捜査を続行する。文句はねぇよな」
「新しい情報が入ったら・・・」
「ああ、連絡する」

俺があっさり情報の共有を了承したものだから
加賀は一瞬驚いた顔をした

「テメェ、変なもんでも食ったか?」

「は?なんでそうなる」

「今までそんなこと一度も言ったことねぇだろうが」

「まあそうだな。しかし今回のターゲットは人を殺めるのに躊躇しない集団だ」
「だから尚更・・・」

加賀は俺の言葉を遮るように言葉を重ねる

「心配ねぇよ、テメェには一切迷惑はかけねぇ」
「俺は俺のやり方で行く」
「互いに干渉しないのがルールだ」

そう言って上着を羽織り出て行ってしまった

(ルールか・・・)

相変わらず加賀の捜査のやり方は納得いかないが
それなりの実績をあげているのは事実だ

その後俺の情報と加賀の機転で無事に事件は解決した
しかし俺の情報がなければ加賀のチームはかなり危険な状況になっていたらしい

後日

俺ではない文字で”石神”と書かれたプリンが
寮の冷蔵庫に入っていた

察するに借りを作りたくない加賀のせめてもの礼なのだろう

俺も人の事は言えないが、加賀は素直じゃない男だ

しかしプリンに罪はない

俺は遠慮なくいただくことにした
 

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