マネージャーは、福富さん。

□転校生は福富さん
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午後授業も、おわりそれぞれが部活動に向かっていく。
泉田と、黒田が部室に入ると椿が、雑務をしていた。
「休めなかったんスか?」
「うん、休めなかったって言うか、、連れて行ってもらうことにしたの。」
「誰にです?福富先輩ですか?」
「そうだよ。千葉のサイクルショップにイタリアに居たとき、注文しててね。てっきり、私も千葉に行くと思ってたから、そのままにしてたんだよね。箱根に呼ばれちゃったけど〜」
ぐるぐる、ボールペンを回して不満そうな顔をする。
「椿さ〜ん」真波がとつぜん、椿の後ろから抱きついてきた。
「ちょっと、ブレーキ見てもらえます〜?」
「ちょ、真波!?私じゃなくて、自分でやるかメカニックいるでしょ??」
「えー、でもー、他の先輩いま忙しいみたいでー」
「真波、椿先輩はマネージャーの仕事がある。あとから、メカニックの先輩がくるから見てもらうようにしろ!」
泉田が真波を睨む。
「やだなー、泉田センパイ。怖い顔しないでくださいよー」
「あと、むやみに、椿先輩に抱きつくな」
「はーい。じゃ、椿センパイ、よろしくお願いしまーす」
真波は、そういうと更衣室にひらひらと向かっていった。
「泉田くんも、黒田くんも着替えてきたら?ミーティングあるんでしょ?」
「「はい、そうですね」」
「大丈夫、真波
たぶん、頼まないから皆がミーティングしてるときに見ておくって」
ひらひらと、手を振って2人を更衣室に向かわせた。泉田はすまなさそうにお辞儀をしていった。
「ふむ、寿一が聞いたら怒るかもねぇ」
「ちぃース」
勢いよく、ドアを開けて荒北が入ってきた。
「!?靖友くんか、、」
「あァ?なにいってんの、椿チャン。なんか、わりーコト考えてたァ?」
「んー?何も?」
こういう勘が鋭いというか、嗅覚が鋭いのはなんだか苦手だ。
「あァ、まさか、サボってひとりで行こうとか考えてンじゃなァい?」
「行かないよ、行きたいけど」
「ソレ、俺もついてくかンね」
椿の肩にぐっと手を起き顔を近づける。
「はぁ?っ、てゆーか顔近い!近い!」
「ァ、悪ィ」
「だーかーらーァ、俺も行くから!」
そう言って、さっさと更衣室に向かって言った。
前途多難だ、と思いながらとりあえず更衣室に消えていく荒北を見送る。
「休みの日まで寿一と居たいのかな」
椿が、呟く。
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