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クロロはソファで本を読んでいた。
『お風呂と服 ありがとう。』
クロロの横に座ると
抱き上げられて足の上に座らされる。
「ちゃんと乾かせ。風邪引くぞ。」
『風邪なんて引かないから大丈夫。』
クロロはため息をつくとわしゃわしゃと優妃の髪をふく。
『ねえ、どうして研究員たちを殺したか、詳しく聞かないの?』
「聞いてほしいのか?」
『ううん。聞かれたら答えるけど。』
「ならいい。俺たちだってお前に何か話した訳じゃないしな。」
髪を乾かし終わると、綺麗に整えた。
「寝るか。」
ぴくりと僅かに優妃の肩があがる。
その様子にクロロは目を細めた。
『昨日寝たからいい。』
「眠れないのか?」
『そうじゃないけど…
寝ると嫌な夢を見るから。』
くすりと口角を上げると優妃をベッドまで運ぶ。
「心配するな。寝ろ。」
『ん。』
(この人には何を言っても無駄。それに、強いから多分大丈夫。)
優妃の小さな手を包み込む
(何だか、親になった気分だな。というか歳の離れた妹か?
何にせよ嫌な気分ではないな。)
白みつつある空を背に二人はまどろみの中へと落ちていった。