main
□6
4ページ/7ページ
走って家までたどりつく。
(家っていうか、お屋敷、、、)
どこから入ろうか悩んでいると、勝手に扉が開き、執事が現れた。
「ようこそ、ゾルディック家へ。当主がお待ちです。」
(はい!?)
円で周囲を探るが、仕掛けがある様子はない。
勧められるままに屋敷の中に入ると、
なぜか客間ではなく食堂に通された。
「ご挨拶が遅れましたが、私はゴトーと申します。もうしばらくお待ちを。」
『あ、はい。ありがとうございます。』
表情には出さないものの、
今までにこんな対応をされたことのない優妃はプチパニックである。
しばらくすると、ゾルディック家現当主が入ってきた。
濃密なオーラに対しても平気な顔で座っている優妃。
(ほう。小娘と思ったが、流石にイルミを飛ばしただけのことはある。)
『こんにちは。シルバ=ゾルディックですね?
ブルーサファイアをもらいに来ました。』
にっこりと微笑みながら話す。
「そうらしいな。だが、俺は正当な持ち主だぞ?」
こちらも、穏やかな顔で答えている。
『依頼主は、家族を殺されたのだから、何か代わりに奪ってやるのが当然だ、と申しておりましたよ。お心当たりは?』
「さあな、心当たりがありすぎて、わからんな。」
和やかに会話をしているように見えて段々と強くなるシルバのオーラに
近くに控える執事たちの方が苦しそうだ。
(めんどくさ、、さっさと帰ってフランクリンのご飯食べたいな)
と考えていると、シルバの方から
ナイフが飛んで来た。
優妃はナイフの柄の部分を掴むと、一気に間合いを詰めようとしてきた執事たちの間をスルリと抜け
シルバの喉元にナイフを突きつけた。
もちろん、オーラを練り上げてシルバの殺気をねじこみ、動きを封じたうえで。
優妃のオーラにギリギリと締め付けられ執事たちからは玉のような汗が流れ落ちる。
『相手の力量がちゃんと分かってる人だと思ったのに。』
そう言いながら、服の中からブルーサファイアを取り出し、代わりにナイフをテーブルの上に置いた。