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「子供がこんなところに、何しに来たの?」
『子供だと油断されやすいでしょう?』
優妃は自嘲気味に微笑んだ。
造られた笑顔。
均等に筋肉が動き絵画のように美しい。
イルミから放たれた鋲を軽々と躱す。
『ブルーサファイアがどこにあるか知っている?』
息ひとつあげずにひらりと空中で一回転して音を立てずに着地する。
「ブルーサファイア? それを狙って来たの?親父が持ってると思うけど。」
(意外と正直な人…)
『それなら 貴方と戦う必要はないわね。』
そう呟くと青年の姿は消えた。
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「ここどこ」
気付くと辺り一面木が生えた森の中。
(どこかに飛ばされたか)
ポケットから携帯を取り出す
幸い、電波はあるようだ。
「あ、親父? 今からそっちに女の子が行くと思うけど、ブルーサファイアあげな」
「強いのか?」
「相当。親父でも無理。」
「了解した。」
とりあえず、何か目印になるものを探して走り始めたイルミだった。