ハリポタ

□炎のゴブレッド
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第ニ夢
闇のパーティー開幕








仮眠を取っていると、いつも温和な
マリア父が真剣な顔でノックして入って来た。


「起こしてごめんね。すぐに出るよ。
杖を忘れずに持っておいで」

「はい」


私は杖をセットし、リビングに出る。
そこにはマリアも居た。マリア母も
緊張の面持ちで両手でしっかりと杖を
持っている。

今、転移させた方が確かだね。怪我
しちゃったらいけないし。


「さぁ、行くよ」

「待って下さい。私が皆さんを屋敷に
転移させます」

「どういう事かね?」

「説明はのち程に……『転移』」


なんの音も無く、クラレンス家は姿を
消した。無事成功したようだ。さてと
私もこのパーティーに参加させて頂こうかな。




キャーっ

わぁーーー!!


外は大混乱でしたマル。観戦に来ていた
魔法使い達は逃げ回り、幼い子供はその場で
泣き喚いている。とりあえず、ちょっと先で
泣いている小さな女の子を保護しようかな。


「大丈夫? お母さんは?」

「ひっく、わかんないのっ っ」


泣きながらもちゃんと答えてくれた女の子。
偉いなぁ。こんな地獄絵図みたいな事に
なっているのに。

女の子の手を引いて、森の方へ避難した
だろうから、そっちへ向かう。
案の定、母親はそこに居た。


「ママ!!」

「シディー!!」


うん、感動の再会だね! 良かった良かった。
母親に沢山お礼を言われながらも
また混沌としている舞台の方へ戻る。

とりあえず、片っ端から被害にあってる人達を
森へ転移させる。被害者が居なくなると
大量の死喰い人に囲まれた。


「貴様よくも楽しいパーティーを邪魔して
くれたな!」

「うるさい。もう、面倒だから『皆跪け』」




ざっ





死喰い人達は言霊によって無理矢理
膝まずかされた。困惑の表情にうっすらと
恐怖が混じる。


「どう? こんな子供にやられる気分は」

「くっ」

「此処は大人しく引いた方が良いと思うよ?
死にたくなければね

「っ!!」


一気に殺気を放ってやれば、息を飲む
死喰い人達。なんとも情けない状況だろうか。


「死喰い人というからどんな者かと思えば
こんな程度か……。興醒めだなぁ」

「このっ!」

「うん、もう良いかな。『君達帰って』」


死喰い人達は1人残らず、この場から
消えた。今はきっと、各々の家に
帰っている筈だ。


仕事完了かな? ポッターは……良いや。
リディ何してるかな? ちゃんと待ってるかな。
早く帰ろう…










自宅



「リサ!!」

「リディ、ただいま」


結構心配掛けちゃったみたいで、帰宅してから
夕飯までずっとべったりだった。

夕飯が終わり、リディも寝た深夜バルコニーへ
出ると、涼しい風が吹いて家の前にさいている。
それが気持ち良くて、口ずさんだ。



今の時間が止まれば良いと
そう思っていたの
貴方との楽しい時間を
このまま止めていたかったの

それでも時は止まらずに
無情にも過ぎてゆく
切なくて 苦しくて
抱き締めたくなったけど
それは出来ないよ

ねぇ もしも
離れたくないと伝えたら
貴方はどうしたかな?

ねぇ もしも
傍にいてと伝えたら
貴方は居てくれたかな?

無理だとは分かっていても
願ってしまう 想ってしまう
このどうしようもない感情が
愛おしくて抱き締める

だから歌おう 愛の歌
貴方に気づいて欲しくて
でも気づいて欲しくなくて
矛盾の感情を抱いて




「良い曲ですね」

「日本……住んでいた所の誰も知らない
歌よ」

「でも切ないですね」

「これはお互いが遠い所に住んでいる
っていう恋歌だからね」


うるっときた涙腺を引き締めて振り返れば
ヤトが私のすぐ側に立っていて無言で
抱きしめた。


「何かあったんですか?」

「……ううん。ただ歌いたかっただけ」

「そう……ですか。……何かあったら
言って下さい」


一際強く抱き締めてからヤトは部屋へと
戻っていった。私が一人になりたいと
察してくれたのかな。


こんな風に想って唄うのはきっと
今日が満月だから。そして、今日助けた
女の子が我が子に少し似ていたから……。


「……ちゃんと育児出来てるのかな」


答えは意外な方から帰って来た。




ーーちゃんと育児はやってるよ


薄っすらと聴き覚えのあるその声は
私をこの世界へと飛ばしてくれた
神様だった。


ーーいつでも呼んでって言ったのに


少し拗ねているようだ。可愛いと思って
しまったが、これは内緒。でもきっと
筒抜けなんだろう。


ーー正解。あと、僕は可愛くないから!


そこ全力否定なんだ……。それより
育児ってどういう意味??


ーーあぁ〜、うん……


……新しい母親でも出来たの?


ーーっ!


いいんだよ、気にしなくて。分かってたから。
もうずっと前から私以外に想ってる人が
居るって……。


ーーでもっ


私は子供達が幸せならそれで良いの。
あぁ、じゃぁ、あの人が逝く時ってのは
無しでお願い。もぅ、良いから……。


ーー……分った。





それから神様と頭の中で会話して
彼(?)は仕事に戻って行った。

本当に、私は愛に恵まれないなぁ〜




もぅ、良いけどね。私にはリディが
居るから。最近ちょっと黒くなって
きてるのが気にかかるけどね。


さ、私ももう寝よう。今年は色々と
やる事があるのだから……。
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