ハリポタ

□賢者の石
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第一夢
飛んだ先は魔法の世界







「んっ……?」

ここは何処だろう?
何故森の中で白雪姫みたく
仰向けに寝てるんだ?

私は誰だ?私?
私は、シュリアーク リサ(26)
二人の子供の育児をしながら
夜働いてます☆
あぁ〜、空が綺麗だなぁ……。

って現実逃避は置いといて……
確か、私はさっきまでーー


ー数分前ー


今日は金曜ロードショーで
ハリポタやるから早く帰らなきゃ!

あぁ、でも観たくない…
だって、今日はスネイプ先生と
ヴォルが死んじゃう…

もし、私がハリポタの世界に
居たら誰も死なせないのに…


「って、夢小説の読みす……?」


一歩踏み出した其処は
マンホール。しかも、蓋が
空いている。よって……


「ちゃんと閉めてけよ
      業者ぁぁああぁぁ!!」



落ちた。


ー回想終了ー


「にしても、某錬金術師の真理の間みたい」


でも私、人体練成してないよなとか
考えてたら、のっぺらぼうで口だけある
白い発光体が扉の前に偉そうに座ってた。


「……夢?」

「ようこそ、あの世とこの世の狭間へ」


あ、思ったより声が優しい……


「って、あの世とこの世の狭間?!」


私死んでないよね!!と発光体に
問い詰める。

すると、マンホールに落ちて死ぬ人間を
間違えたと問題発言してくれた。
本当は私ではない人間が死ぬ予定
だったらしい。


「私……死んじゃったんだ……」


まだやりたい事あったんだけどなぁ〜。
子供の結婚式も見たかった。
旦那との老後も色々考えてたのに……。


「ごめん! 本当にごめん!」


頬を伝うものを見て、目の前の発光体……
神様?が焦って謝ってきた。


「謝って貰っても生き返らないんでしょ?」

「……ごめんなさい。本当は
もっと長生きする予定だったのに…」


もう逢えない旦那や子供達を
想うと涙が止まらなかった。

あの人は私が死んで泣いてくれるかしら。
泣いてくれたら嬉しいなぁ……。
私、あなた達が来るまで見守ってるからね。


「その代わりというか、君の望む力と
世界をあげるよ」


なんですと?!!


訂正。私は新しい世界で頑張るから
あなた達も頑張りなさい!


「良いんですか?!」


目を輝かせて詰め寄ると軽く引かれた。
失礼だなコイツ。


「元はと言えば僕が悪いからね。
お詫びだよ」

「じゃぁ、ハリポタの世界の1年目で。
力は最強の魔力と抜群の記憶力で言霊使い!
不老不死で動物の言葉が分かる!
こんなもんかな?」

「……多くないかい?」


ジト目で見られても、これは譲れない!
皆救いたいんだもん。


「不死というか、私がもう良いかなって
思うまでで良いの」


私が死んじゃったら救える者も救えないし
ヴォルも救いたいから不死じゃないと
命足りないし。こういう最強設定って憧れて
たんだよね(本音)


「……わかった。良いよ」

「ありがとう! あと、私の旦那が
逝く時教えて下さい。その時には全て
終わらせて私も逝くので」


そして、私が居なかった時の話を
のんびり聞きたい。それまで
子供達の事よろしくね……。


「分かった。何か困った事あったら
相談にのるからいつでも呼んで?」

「うん!」


神様が味方になってくれるのなら
心強い。私は頑張れそうだよ。


「それじゃ、行ってらっしゃい」


にこやかといってものっぺらぼう
なのだが、雰囲気的に花を背負ってる
感じで手を振られ意識が途絶えた。


そして今に至る。
そっか、私は神様(仮)に飛ばされたんだっけ?


「………ぃ。……?」


何だか耳心地の良い声が聞こえる。
そして、この声は何処かで聴いた事が
あるような……?


『土師孝也!』

「っ!!」


声フェチな私が反応する位の
良い声の持ち主は何処?!!!

ふらっ

いきなり起き上がったからか
貧血で軽く目眩がした。
一度目を閉じてもう一度開くと……


何て王道なのだろう……。
此処は恐らく禁じられた森で
そして目の前には不機嫌で疑惑の目で
見つめてくる某根暗陰険魔法薬学教授が
いらっしゃいます。

本当、王道すぎて泣きたくなる。


「……貴様は何者だ。何故此処にいる」


英語分からないよ……。此処は
トリップ特典でバリバリ話せるゼ☆
ってならないのかYO!


「アイ キャント スピーク
イングリッシュ」

「……英語が話せないのか。
ちっ ……ついて来い」


なんか舌打ちされたっ?!!
ってか、これは校長室連行コースかな??
行くのは良いんですがスネイプ先生
歩くの早いです! 日本人女性の私とは
足のコンパスが違うのだから
もう少しゆっくり歩いて欲しいです。

手を引っ張られて前のめりに
なっているから、殆ど引き摺られて
いるのと変わらない。

なんともみっともない体制である。


そしてやってきました校長室!
映画と一緒で色んな物が置いてある
というか積まれてある。掃除した方が
良いのではないだろうか。

キョロキョロと物色していたら
不死鳥を見つけた。映画版より
とても神秘的だ。

まだスネイプ教授と校長が
話していたので、不死鳥に
話し掛けてみる事にした。


『こんにちは?』

《おや? 不思議な子だね》


思ったよりおじいさん声でした。
そりゃ来年で生まれ変わるから
そうなるのかな?
ってか、日本語通じるんだ。


『どう不思議なんですか?』

《光眩しい魔力を感じるよ》

『そんなに?!』


ってか、光眩しいってどんなだ??


「ホークスと仲良くなったみたいじゃの」


話が終わったらしく、校長がヒゲを
撫でながら和かに話しかけてきた。
だがしかし……

英語は分からないんだって!
困った顔でスネイプ教授をみれば
私が英語が話せないという事を
伝えてくれたみたいだ。

その証拠に校長が「すまんすまん」って
言ってるし。さすがにSorryは分かるよ!


「これで分かるかの?」

「おぉ!」


杖で頭を叩かれたと思ったら
英語が分かるようになってた。
魔法って便利☆


「して、君は何者かの?」


おぉ〜 顔は笑ってるけど眼が
笑ってない。The 警戒の眼差し!
これをヴォルも味わった訳だ。
こんなの子供に向けるものじゃないよ
全く……。

さて、何て答えよう?
動きやすくするには、このじい様を
仲間に付けないとキツイなぁ。


「それが……自称神様とかいう人に
この世界の礎となれ!と生贄にされ
危ないから取り敢えず私の力を
あげようと自称神様の力をちょこっと
貰っちゃった異世界人です。
疑うのなら心の中でも覗いちゃって
下さい」


あまり間違ってる訳でもない説明だ。
これならちょっとは同情されるでしょ。
さぁ、どんと来い!と手を広げて
目をつぶる。

が、しかし、いつになっても
心を覗かれる感じがしない。

そろりと目を開けると
「両親は死にました」
みたいな聞いたらいけない事を
聞いちゃいましたみたいな
微妙な表情をしてましたよ。

あ、でもスネイプ先生は
まだちょっと疑ってるっぽいけどね。


「お主の言ったことは信じよう。
何よりもその魔力が証拠じゃ」


ホークスが言ってた「光眩しい魔力」
ってやつかな?


「ありがとうございます。
こっちに知り合いが居ないので
信じてくれて助かりました」


でも、これからどうしようかな。
家とかお金とか夢小説だったら
校長が……。


「それなら、わしの養子にならんかの?」


って言ってくれるけ……ど??
あれ? 今脳内で再生してなかったっけ?


「校長?! そのような怪しい者を
養子にしようなどと!
何を考えておられるので?!」


やっぱり校長が言ったの?!
本当に夢小説的な流れだよ!
いや、嬉しいけどさっ


「このこの魔力を感じてみなさい
このような眩しく優しい魔力を
持った者が闇の者とは考えられんよ」

「いやいやいや、流石にそれは
申し訳ないです!」


子供ならまだしも、私はとっくに
成人して子供まで居たのだから。
そんなお世話になるなんて……。

私は多分最強設定だから
家とかは魔法で出せる……だろう。
お金も薬でも作って売ったら
どうとでもなる……だろう。

なんか色々不安だけどね……(汗)


「お主は大人っぽいがまだまだ
子供じゃ。爺のわがままと
思ってみてはくれんかの?」

「子供??」


いやいや、いくら東洋人が若く
見えるからって子供はないだろうよ……


「私もう20後半なのですが……」

「なんと?!」


校長はもちろんスネイプ先生まで
驚いてた。そんなに若く見えるのかな?

チラッと近くにあった姿鏡を
見てみると…


「縮んでるーーー!!!」


おいおいおい!
ここまで王道にしなくても
良いだろうがーーー!!!

返してくれよ私のEカップ……
(そこかいっ by 管理人)


「また子供の時間を満喫してみては
どうかの?」


校長のその一言で私は折れて
養子になる事になった。
まぁ、子供じゃなくても、あの爺さんなら
強引に話を進めそうだけどね。

んで、今は爺さんから与えられた
部屋で寛ぎ中だ。ベッドがフカフカで
気持ちが良い。

取り敢えず、明日は色々揃える
事になった。杖とか服とかね。
付き添いは、やはりスネイプ先生だった。

すっごい嫌そうな顔してたなぁ。
そんな事、私は知ったこっちゃ
ないけどね(酷)


今はこの疲れた身体を休めよう。
明日から大変な毎日になるのだから。
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