意気地無し少年と自傷少年。

□刃物とお薬使うので。
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視点、八雲。

何だよ…昨日の…。
「康、おはよ。」
「あ、あぁ…おはよう。」
見間違いだろ(笑)
ただの道具。
赤錆びてて、使い古されて、血みたいな塊がこびりついてて…あっはは。
「…は、春樹…。」
「何?康。」
ーギュッ。
すると昔みたいに抱きついて見上げてきた。
「い、いや。」
「何だよ…馬鹿。」
「悪い。」
そんな姿を見てたら問い詰めることなんて…できなくて…。
「学校行こっか。」
「…うん。」
やっぱり学校という単語に浮かない春樹だった。

視点、鈴鹿。

ーズカッ…
「ぃっ。」
「痛い?」
「はは、痛いのが当たり前なんだよ?馬鹿鈴鹿。」

何で。。。?
足蹴りされて、
暴言吐かれて、

苦しいよ。。。

「よし、アレ持ってこいよ…。」
「ぇっ、」
な、に
「媚薬入りの液体薬〜」
「媚…薬…?」
「体が気持ちよくなるんだよ?」
「や、だ、」
「打て。」
「や、やだっ!!!」
ーガシッ
「暴れんなよ」
腕を抑えられて…
怖い…

「や、だ。






やだあぁっ!」



視点、八雲。

「やだあぁっ!」
「春…樹?」
またいじめられてんのか…。
でもなんか様子が…?
声の発生源は春樹のクラスからだった。
ドアのガラスから少し覗いた。。。

すると目の前には5.6本程度の注射器が春樹の下には転がっていた。

「何、して。。。」

視点、鈴鹿。

ーガララッ。
「おい。。。」
康…?どう、して。
「…ぁ…。」
「おぉ!八雲じゃん!」
「お前もやる?」
「…け…。」
「は?」
「どけっつってんだよッ!」
康…やめて。。。
「はあ?お前こいつとグルだった?」
「。。。」
「何とか言えよ!」
「こ…ぉ…!」
ーガッ。。。
素早い速さで殴りかかる…

僕の。。。せいだ。。。

目を瞑ったその時…




「いってえぇぇえ!」

「…へ?」
予想だにしない声に顔をあげれば殴ったのは相手じゃなく…

「康…。」

「もうなんだっていーや。悪いけど春樹…

約束破るぞ。。。」




















視点、八雲。

結構楽に終わったな。
「大した奴じゃないよ。」
ニッ、と、笑ってやると春樹は横目で確認して困った顔をした。
「ごめん、なさい。」
そして泣く。
なんで?
もう敵はいなくなったのに。。。まだどこか痛むのか。。。?
「春樹…
「関わらないでって、言ったじゃん。」
「そうだな。」
「無視していいって。」
「そうだな。」
「ねぇ、」
「ん?」
「僕の事、責任持って…守ってよ。。。」
「え…っ。」
「ご、ごめん。うs
「いいのか!?」
そんな、守るって!
春樹を守れるって!?
「え…う、うん。」
「やったあぁ!」
とにかく嬉しい!
春樹が、そんな事言うなんて!
「ははっ、面白い奴、帰…ろ…う、あ。。。」
「春樹…大丈夫か?」
「へ、ぃき…。」
急に腹を抱えてうずくまる…。
「どうし…
ービクッ。。。
「さ、触らな、いで…!」
「おい、春樹?…どうやって帰るんだよ。。。」
「先、帰っ、て…?」
様子がおかし過ぎる。。。
「春樹、ごめん!」
「ふ、ぇ?。。。ぅぁぁ。」
もう、前と同じく姫さん抱っこぐらいしかないだろ!
「大丈夫か?」
「はぁ、はぁっ。んっ。。。」
え、エロい。。。

って、ダメダメ!!!
春樹は、ただの友達であって、異性ではない為、恋愛は禁止であるため。。。


「んっ。」
まあ何とか家までは無事に着いたが。。。
「ぁ、つい…っ。。。」
「え!?じゃあとりあえず上着脱げ!」



「熱い〜!!!」
「待って!今エアコン付けたばっか!」
下着のままで熱いという。。。
そういえば…

注射器。。。

「春樹…注射器って、何が入ってたんだ。。。?」
「媚…薬…って、言って…た…」
「やっぱりか。。。」






治せるわけねえだろ!!!





キ、キス…だけ、でも。。。?

「春樹…悪いっ!」
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