ほん 2

□心臓
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心が狭い。

幾度となく、私はそう呼ばれていた。
どうしてかなんて、自分が一番に知りたい。

「わからないの?」
「うん」
「はぁ…」

どうしてって聞いたところで、返ってくるのは呆れた顔をしつつのため息だけ。

それ以来私は聞くのをやめた。だからといって知りたくないわけでもない。


人は私を我が儘って言った。甘えんなとも。
両耳を塞ぎたくなるような罵声も、身体の感覚をなくしたくなるような暴力も受け入れた自分のどこが我が儘なのだろうか。甘えている自覚すらもない。

へらへら笑っているのは、何も知らない人に自分を見せたくなかっただけなのに、それも裏目に。
悩みなさそうで羨ましいって不幸自慢をはじめる。

きっと自分を曝け出したら、誰もみんないなくなってしまう。
私みたいな汚いのは、人は嫌いだから。
汚くて、どうしようもなく、価値のない人はどうしたって嫌われる。
そんな私は嫌われることを何よりも嫌った。



スポーツ好きとか、お金がほしいとか人が言っているのを知っている。私はただ温もりと愛がほしい。
温もりも愛も知らない私に教えてほしい。



ねえ。どうしてこうなったと思うの。誰のせい。私かな。それとも周りの人かな。どっちにしろ存在価値ない私が最終的に悪者。


私のことを知らない人は知らないまま、私はしんでいく

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