短編集

□おやすみなさい
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人気の無いライブラ事務所は凄く寂しく思える。


普段、ザップやレオ君が騒がしくしてくれているおかげで『寂しい』なんて思ったことなかったのに。


現在夜の11時。
私は残業でライブラ事務所に泊まり込みになりそうだ。

他に人はいるのかいないのかよくわからない。
というのも我らが副官が帰るのをみていないから。


そういえばここ最近は徹夜とか言ってたような……。


手を動かしながら仕事を進めていくと案外早く終わった。

コーヒーでもいれて一息つこうと机から離れ、立つ。


「……!? ……あぁ」


ソファになにかいる! と思って見てみれば副官だった。
どうやら寝ているらしい。


「珍し。副官が寝てるなんて」

端末を目覚まし代わりに使っているみたいだったが止められている。

さらに、毛布もかけられていることからおそらくクラウスさんが帰るときに掛けていったんだろう。

後が怖いから私たちはそんなことしないのにな〜。
きっと私が疑われる。

うわぁぁん。と心のなかで泣いていると副官の机が目に入った。


「うわぁ、えげつない量の書類だぁ」


書類は山を築き、さらには連なり山脈と化していた。

あと何徹すれば終わるのか皆目見当がつかない。

ん〜、最近副官頑張ってたしちょっとだけ
……、ま、これくらいは構わないよね。


書類の山に手を付け、副官じゃなきゃできない物、私でもできるものに分けた。


案外副官じゃなきゃできない物は少なく、私でもできるものが約6割。
やっぱりライブラは事務を雇ったほうがいいと思うんだよね。

私みたいに事務もできる戦闘員なんてそれこそ副官しかいないし。


雑音を出さないよう細心の注意を払いつつ書類を裁いていく。

さすがは深夜のテンションというべきか徹夜していないおかげというべきかサクサク進む。
たぶん、副官は徹夜するから作業効率が落ちるんだろうな。


私にもできる書類の半分を終わらせた時に時計を見るとなんと深夜2時。

三時間もひたすら書類を整理していたことになる。
なのに書類の山はまだまだある。
恐るべし、副官の作業量。


今度からは私も手伝おう。

そう決めてコーヒーを淹れに席を立った。
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