Novel

□tukimi
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「シリウス海賊団、でしたね」
師匠さんはリュナさんから視線を外し、私達を改めて見た。
「そこの青い瓶に魂変性を分解する丸薬が入っています。それを飲むといいでしょう。」
「おっしゃ!ようやく戻れるな!」
ハヤテさん(見た目ナギさん)はガッツポーズをする。
「ただし、一粒しかないんです」
「「「「「えっ?!」」」」」
全員が師匠さんを見る。

「大丈夫。君たちの入れ替わりは同時だったそうですね。ですから一人が戻れば肉体から放たれた魂が押し出されそれぞれ元の身体に戻るでしょう。少し時間のズレはあるんですがね。それに最初の一人に飲ませる時にはちょっとした暗示が必要ですが」
「暗示?」
船長が聞き返す。
「強く自分の身体に戻りたいという願望を引き起こす暗示です。そうですね…例えば貴女が」
師匠さんがこちらを見る。
「?」
「一番に戻らせる魂が現在入った体に丸薬を飲ませておき、魂本来の身体に貴女がキスをする。そうすれば、魂は自分の身体に戻ろうと強い意志を持ち、たちまち戻れるでしょう」

き、キス?!

「わお!おとぎ話みたいで素敵だね!リュナちゃん!」
アンジュちゃんが楽しそうに笑った。
「なな何が素敵だね!だ!クソガキ!楽しんでんじゃねえ!」
ハヤテさん(見た目ナギさん)が真っ赤になりながらアンジュちゃんに怒鳴った。
「お兄ちゃん、自分が選ばれないカモって思って焦ってるの?」
「んなわけねーだろ!●●は勿論オレを…って待てよ。オレを戻すって事は今はシンが入ってるオレの身体にキス…って結局どっちとすることになるんだ?」
「複雑な絵図しか浮かばねえな」
ナギさん(見た目ソウシさん)が溜息をついた。
「たかがキスだろ。騒ぐもんでもねえ。さっさと選べ●●」
シンさん(見た目ハヤテさん)は淡々と言い、
「無理はしなくていいからね。ほら、唇じゃなくてもいいかもしれないし」
ソウシさん(見た目シンさん)が安心させようとしてくれるけれど、
「確実に戻るには唇がいいでしょうね」
師匠さんはにこやかに答えた。

「ふふ。身体に戻る強い意志を持たせるためには恋人のキスじゃないと意味ないですわね。いいんじゃない?海賊はお宝を巡って競い合うものなんでしょう?ピッタリじゃない」
リュナさんが妖艶な笑みを浮かべて皆を見た。
「がっはっは!良かったなお前ら!んなことなら俺も入れかわっときゃよかったな!」

う…。
どうしたらいいの?
この中から、一番最初に戻す人を選ぶってこと?!
でもキスは身体の人とするってこと?!

「さ、お前ら!アピールタイムだ」
船長の言葉に一人一人が口を開く。

「●●。てめーオレ以外を選んだらブッコロス!って言いたいトコだけどシンの野郎とその…すんのは微妙だと思うし、まームリすんな」
ハヤテさん(見た目ナギさん)…どうしよう。

「●●ちゃん。私を選んだらナギが入っている身体とキスすることになるね。私としては複雑な気持ちだけど、すぐに本来の身体に戻れると思うからそうしたら…ね?」
ソウシさん(見た目シンさん)…戻してあげたい。

「…俺は戻りたい。これ以上食材を無駄にしたくもねえし…いや、それだけじゃねえ。ハヤテが入ってる俺とになるが…俺を選べ」
ナギさん(見た目ソウシさん)…それだけじゃないって…気になる。

「●●。お前が俺以外を選べるはずがない。お前の主人は誰なのかわかっているだろうな。俺を選べば後で褒美はたっぷりやる」
シンさん(見た目ハヤテさん)…こ、これは他を選ぶと恐ろしいことに…


ハヤテさん(見た目ナギさん)を選ぶ

ソウシさん(見た目シンさん)を選ぶ

ナギさん(見た目ソウシさん)を選ぶ

シンさん(見た目ハヤテさん)を選ぶ




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