Novel

□シリウス事件簿 消えた■■■
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船長の言葉に皆が黙り込んだ瞬間、
ロイ「はーっはっは!シリウスの諸君。甲板に勢ぞろいでこのロイ様のお出迎えか?」
いつの間にかリカー号がシリウスの隣にピタリとくっついていて、ロイ船長が乗り移ってきた。
皆は一斉にロイ船長を見て―――

ナギ「確かにシリウスにそんなヤツはいねえな」
シン「ああ。けどそんな真似をしそーな部外者なら…」
ナギさんとシンさんがシリウス号に乗り込んできたロイ船長に鎌と銃を向ける。
ナギ・シン「身近にいたな。…さあ、返してもらおうか。変態」

ロイ「お、おい。何のことだ?リュウガ。挨拶も無しにイキナリ武器でお出迎えとは、お前の船の連中はどうしてこうも野蛮で礼儀知らずなヤツばかりなんだ」
ナギ「アホ。海賊が野蛮じゃなくてどーする」
シン「むしろ褒め言葉だな」

リュウガ「ってことで、さっさと吐いちまったほうがラクになるみたいだぜ?ロイ」
ナギ「吐いたらすぐラクにしてやる」
シン「そーだな。いたぶられるのが好みなら他の方法も試してやろうか?」

ロイ「ちちちょっと待て!イキナリ頭に武器を突きつけられて吐け、返せと言われても意味がわからんぞ!」
ハヤテ「とぼけるんじゃねーよ。どーせお前の仕業だろ」
ハヤテさんまで剣を向ける。

ロイ「おいおい、確かにこのロイ様は数日前にお前らのお宝を華麗に盗んだが、つい最近3倍返しでリカーから奪っていっただろう?!」
ソウシ「そのお宝じゃなくて、なくなったのはもっと大事なものなんだよね」
ロイ「大事な宝がなくなった?」
トワ「●●さんの…パ、パンツ…なんですっ!」
ロイ「な、なにィ?!真珠ちゃんのパンツが盗まれただとっ?!」

ソウシ「あれ?どうして盗まれたって断言できるの?」
ロイ「いや!オレはいつか誰かがやると思っていたぞ!そもそも野蛮な男連中の中に可憐な真珠ちゃんが一人。狼の群れに入れられたウサギ!海賊船に乗せられた一粒の真珠!その下着を手に入れたくならないワケが無い!…ということでこんな危険な船とはオサラバしてリカー号に来い!」

どかっ
シン「どさくさに紛れて手を触ってンじゃねーよ。」
シンさんが私の手を握りしめていたロイ船長を蹴とばす。
ロイ「いたっ!蹴ることないだろ眼帯!」

シン「フン、俺は気が長いほうじゃない。5秒以内に返さないと海の藻屑にしてやる」
ロイ「オレじゃねえ!そんなこと言ってこのロイ様に疑いをかける振りして、実は根暗ムッツリ眼帯の上着のポケットに入ってるんじゃねーか?」

シン「だから俺が何でコイツの下着をわざわざ盗む必要があるんだ。全種類記憶しているほど知り尽くしているし、そんなものいつでも手に入れられる」
ロイ「なにィ?!全種類記憶だとっ?!ためしに言ってみろ!本当に記憶しているかオレが聞いてやろう!」
シン「失くなった木綿の白の他にピンクの毛糸、それから俺が買ってやったシルクの…」
●●「し、シンさんっ」
小さく叫ぶとシンさんはハッとした顔になってから咳払いをした。

シン「とにかく、この中で犯人として一番有り得ないのは俺に決まっているだろう」
リュウガ「まぁ、そりゃそうだな」
船長の一言のあと、沈黙があって…
シリウスのみんなは一斉にロイ船長を見る。

トワ「やっぱり犯人は…」
ロイ「だからしつこいな!オレじゃないって言ってるだろ!…そりゃ真珠ちゃんのパンツは喉から手が出る程欲しいお宝だが…」
ロイ船長がうっとりとした顔で瞳を閉じる。

ガコンッ
ロイ「いってえぇ……」
シンさんの銃がロイ船長の頭に思いっきり振り下ろされて大きな音を立てた。
ロイ「ひ、ヒドイじゃねーか!銃で思いっきり殴ることねーだろっ」
シン「お前がド変態な妄想を浮かべているようだから阻止してやったんだ。」
ロイ「そりゃ確かに、そのお宝で○○××とか×△□とか□□□○とか色々妄想したが…」

トワ「……!!!」
●●「し、しないでくださいっ!!!!」

どかっ
今度はナギさんの拳がロイ船長に打ちこまれる。
ロイ「いってえええ…」
ナギ「それ以上下世話なことを口にするんじゃねー」

ロイ「そんなこと言いながらもお前らだって結局はいろいろ想像しただろう!オレは素直に口にしただけだ!」

全員「………………」

シン「…おい、ハヤテ、ナギ、トワ。ナニ顔を赤くしてんだ」
ハヤテ「し、してねーっ!たかがパンツくれーでンなことっ…」
ナギ「…俺は変態じゃない」
トワ「そ、想像なんてっ…ぼ、僕はロイ船長の言ってる意味がよくわからないですから…」

ロイ「ああ、くそうっ!甲板に干してあると知っていれば、もっと早く盗みにきたものをっ…出遅れた!真珠ちゃんの白い可憐な布を手にした時の恍惚感…どんな高価な宝を手にするより満たされることかっ!」
シン「でっかい声で犯行を妄想してんじゃねーよ、ド変態」
ハヤテ「しかしロイでもねえとなると、一体誰が…」

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