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□シリウス事件簿 消えた■■■
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ハヤテ「せんちょー!手に持ってるソレはどうしたんっすか?!」
ナギ「…まさか」
シン「チッ、真犯人は別にいたか」
リュウガ「は?真犯人?なんだそりゃ。おいおいお前ら、何だその眼は」
トワ「船長。さっき僕は船長を呼びに行ったんですけど反応がなかったです。…どこにいたんですか?」
リュウガ「いい天気だから酒をかっ喰らってたらいつのまにか倉庫で寝ちまってたみたいでな。目が覚めたらコレを握りしめてたんだ」

ソウシ「夢遊病の一種かもしれないな」
シン「夢遊病だからといって、していいことと悪いことがあります」
リュウガ「いや、夢遊病は大げさだろ。よくあることじゃねーか。ほら、目が覚めたら知らねー女が隣に裸で寝てたとかな!」
ナギ「…ねえな」

トワ「うわぁぁっん!!せんちょう〜!!僕っ…船長を尊敬していたのにっ!」
ハヤテ「ま、まぁ…人間だれしも魔がさすってことあるよな…トワ、船長だって…いや、逆にブツを考えると俺らより船長の方が犯人像に合ってるじゃねえか」
リュウガ「ん?犯人像?な、何だ。コレがどーしたってンだよ」
ソウシ「船長。それはもしかして…パンツなんじゃないですか?」

リュウガ「ああ。ま、パンツといえばパンツだが…こんなモンに興味あるのか?お前ら」
●●「こ、こんなもん…」
ハヤテ「落ち込むな●●!あんな色気ねえパンツだと、あの反応でも仕方ねえぞ!」

ぴらりと皆の目の前に布が拡げられる。
●●「きゃあっ!ダメ!拡げないでくださっ…え?

船長が拡げたのは――
フンドシ?!

ハヤテ「フンドシ?」
リュウガ「おう、コレがかの有名なフンドシってヤツだ。ヤマトの男の中の男っつーのが着ける下着らしーんだが、着け方がいまいちわからねえ」
ナギ「…チッ。紛らわしい」
シン「タイミングが悪すぎる」

リュウガ「オイオイ。おめーら。興味示してた割りにつめてーなぁ」
ハヤテ「男の中の男の下着?何でそんなものを持ってるんっすか?」
リュウガ「前にヤマトのねーちゃんに貰ったんだが、着け方訊くのを忘れちまってそのまま置いてたんだ」
ソウシ「う〜ん。私も着けている人はヤマトで一度見た事あるけれど、着け方はさすがにね」
ハヤテ「一枚布みてーだし、テキトーに巻いとけば何とかなるんじゃねーっすか」

リュウガ「そうか?ちょっと試しにやってみるか」
●●「きゃああ!船長!ここで脱ぎだそうとしないでください!」
リュウガ「いいじゃねえか。恥ずかしがるモンでもなし」

シン「止めてください、船長」
シンさんが制すと、船長はハッハッハと大声で笑う。
リュウガ「冗談に決まってるじゃねーか」
シン「冗談に聞こえません」

トワ「み、皆さん!今はフンドシよりも●●さんの下着ですっ!!あと、ついでにハヤテさんの鍵と!」
リュウガ「あ?●●の下着?」
ハヤテ「ついでに鍵?パンツ以下かよ!」
シン「甲板に干していたコイツの下着が昼以降に無くなったんですよ」

リュウガ「なんだと?おい、●●。そりゃどんな色で、どんな形で、どんな下着だ?」
ハヤテ「せんちょー…思いっきりセクハラに聞こえるっす」
リュウガ「バカいえ!俺は大事な船員の下着が無くなったから真剣にきいてるんだ!」
ソウシ「木綿の白でレースが付いてるパンツらしいですよ」

リュウガ「いや、ソウシ。お前の口から訊きたかったワケじゃなくてな…。ん?おい、ハヤテの鍵ってのはもしかして」
シン「コイツが大事な宝箱の鍵を失くしたんですよ」

ハヤテ「失くしたっつーか落としたダケだし」
ナギ「結局失くしたんだろ」
ハヤテ「うっ…」
リュウガ「本当か?…ったく、しかたねえヤツだな」

ハヤテ「探したんっスけど全然見つからねーし、マジで誰かが盗んでったのかもしれねー。…となると、犯人はこの中にいるっ!」
シン「アホ。んなわけねーだろ。コイツの下着じゃあるまいし」
ソウシ「何気にシンは●●ちゃんのパンツについてはまだ疑ってるんだね」

シン「ハヤテの馬鹿の持っていた鍵は船内で盗る利点がない。あるとすればハヤテを陥れる為だろうが、そんなこと大した理由じゃない。サイズも小さく目立つものでも無かったから単に落とした可能性は高い。」
ハヤテ「オレを陥れるって、どーみても犯人はシンだろ」
シン「俺はお前に構ってやる程そんなにヒマじゃない。だが一方、下着のほうは…風も吹いてない。船も止まったまま。辺りの海にも飛んで行った形跡はない。動機もある容疑者らしき人物はいないとは言えない。そうなると意図的に誰かが動かした説は有力ですからね」

ナギ「動機があるってまさか俺たちのことか?」
ソウシ「ははっ。らしいね」
ハヤテ「笑いごとじゃねえっすよ。何で俺達がコイツのガキくさいパンツ欲しがるんだよ?!」
シン「色々使い道はあるんだろう?」
ハヤテ「…っシンが言うと変態的に聞こえる」
ナギ「…同感だ」
トワ「使い道って何ですか?」
ソウシ「トワは知らなくていいよ」
●●「はっ!まさか雑巾と間違って…」
シン・ナギ・ハヤテ・ソウシ「……なわけねーだろ」

リュウガ「しかし女の下着を盗むなんてセコイ真似するヤツがこのシリウスにいるわけねーと思うがなぁ」

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