WTの夢

□出水と模擬戦
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「よっしゃ師匠!次オレな!」

米屋との対戦を終えブースから出てきた奈月に、出水が興奮気味に声を掛ける。

『はえーよ。ちょっと休憩させて。』
「何でだよ!トリオン体だろ!」
『精神が疲れたのー。』

観覧席でわいわい言い合う師弟コンビのもとに米屋が合流する。

『お、米屋お疲れ〜。』
「奈月さん…超至近距離のアイビスとかトラウマレベルっすよ。」
『そーかぁ。じゃあ今後米屋に模擬戦誘われることはないな。』
「ちょっ!それイジワル!」
「槍バカざまぁ。」
「うっせ弾バカ。」
『飲み物買ってこよー。』
「ちょ!待って!」

出水が慌てて止めるのを米屋が可笑しそうに笑う。

「何で行っちゃうの!?」
『いや、お前らまた漫才長くなるかと思って。』
「漫才やってないし!槍バカとコンビにしないで師匠!」
『はいはい出水クンは米屋クンが大好きですね〜。』
「マージーでヤメテ!」

奈月の肩をガクガク揺さぶって必死な出水。

「残念だな弾バカ〜。お前の気持ち奈月さんに全く伝わってねーな。」
「お前はホントもう黙って!」
「へいへい。」

師弟のやり取りをニヤニヤしながら見る米屋は、そのままブースに入っていく二人を見送った。
すぐにブースの中はモードが切り替えられ、工業地区になる。

『さーて出水。どこからでもかかってきな。』
「今日こそ勝つ!」

隠れても意味がないことを知る二人は真正面から対峙していた。
出水相手の奈月のポジションは、彼と同じシューターだ。

『ほーら出水、いつものスタイルじゃ倒せないぞ?味方に取らせるのも大事だが自分でも取りいかないとなぁ。』
「っ、分かってるよ!フルアタック!」
『うーん、いまいち。』

出水の攻撃はことごとく奈月に相殺され、フルアタックでさえも見事に防いだ。

『出水クンさ、せっかく工業地区選んだんだから活かさないと。』
「!配管の中からハウンド!?」

出水の攻撃を防いだ時に奈月も密かに攻撃を仕掛けていた。

『お、よく避けたね。だけど気を抜くのはまだ早い。』

奈月の両手に大量のアステロイド。

「げ…!」
『さあ、どこまで防げるかな?』

…フルアタック。
ニヤリと笑った奈月の静かな声。
直後、出水の戦闘不能を伝えるアナウンスが響いた。





END.
(油断大敵ってな。)(師匠相手に油断出来るわけないだろ!)(弾バカのフルアタック好きは奈月さん譲りだったんですね〜。)

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