WTの夢

□嵐山と大学
1ページ/1ページ


「久しぶりだななっちゃん!」
『おー、准。久しぶり〜。』

大学の廊下で声を掛けたのは奈月と同い年の嵐山。

『今日は広報の仕事は休み?』
「ああ。講義に出るのも久々だ。」
『忙しそうにしてたもんなぁ。いつもありがとな。』
「?何でなっちゃんがありがとうなんだ?」
『いや、ボーダーの体裁が良いのは嵐山隊のおかげだからさ。お前らがいなかったらただの不良集団だよ。』
「何言ってるんだ!なっちゃんだって十分格好良いじゃないか!」
『…うん、嬉しいけどそんな大声出さないでくれ。』

あまりにも必死な嵐山は周囲の視線を集める。

『、とりあえず行こう。次の講義一緒だったよな?』
「ああ。だがちゃんと言わせてくれ!ボーダーはなっちゃんみたいな格好良い人がいるから…!」
『分かった!分かったから!』

集まったギャラリーの中にバカ笑いする太刀川と諏訪が見えたが、とりあえず文句は後だと急ぎ足でその場を立ち去った。

『……はぁ。』

教室に着いて早々机に突っ伏した奈月に、嵐山は首を傾げる。

「どうした?お疲れか?」
『おかげさまでな。』

皮肉っぽく言ってはみたものの、どうもそれとは違う怠さを感じる。

『あ、そうだ。准がいなかった時のノート。見る?』
「ああ!ありがとう!」

講義が始まるまでに出来るだけ写してしまおうとする嵐山を横目に、奈月は喉の奥から咳が込み上げてくるのを感じた。

『っケホッケホッ!』
「!大丈夫か!?」
『ケホッ!っ、ちょ、大袈裟。ちょっと咳しただけだよ。』

ペンを放り投げ背中を擦る嵐山に、奈月は苦笑をもらす。

「もしなっちゃんが体調悪くなったらオレがノートをとるし、いつでも任務代わるからな!」
『、おー。ありがと。』





END.
(じゃあ准が体調悪くなったら……いや、無理だな。)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ