WTの夢

□諏訪さんとお隣さん
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防衛任務で本部に来た奈月は、前を歩く男の正体に気付いて声を掛けた。

『諏訪さんこんにちは!お疲れさまです。』
「おー、奈月。これから任務か?」
『そうです。諏訪さんは上がり?』
「おう。帰って寝るわ。昨日寝てねーんだよ。」

そう言って大きなあくびをした諏訪。

『彼女とケンカでもしたんですか?』
「何で分かんだよ。…エロ本隠し忘れてな。」
『うわ、最低。別れたの?』
「いや、彼女じゃねぇよ。」
『…もっと最低〜。』
「るせぇ!」

奈月の首に腕を回して絞め技をかけるが、手加減をしているのか痛くない。

『うるさいと言えば、諏訪さん。そんな大きい声で隣に住んでる人に何か言われたりしないんですか?』
「余計なお世話だが、今んとこな。」

諏訪に肩を組まれたまま歩く奈月は、端から見れば不良に連行されてる優等生だ。

「右隣は空室でな。左隣は住んでるみてぇだが見たことねーな。」
『ふーん。じゃあその人は心が広いんですねきっと。』
「綺麗なお姉様かもな。」
『夢見るのは自由だけど。右隣に人が来たら気を付けてくださいよ。』
「わあってるよ。」
『柄悪いから聞かれたら通報されますもん。この前は酔って笹森くんにお酒飲ませようとして堤さんにリバースしてたし、その前は深夜に帰ってきてレポート忘れてたぁああって大騒ぎしてたし、さらにその前は、』
「…ちょっと待て奈月…。」
『はい?』

正面に向き直った諏訪は奈月の両肩をガシッと掴む。

「……何で知ってる…?」

冷や汗をかき頬を引き吊らせて睨む諏訪に、奈月は満面の笑みで返した。

『どーも、綺麗なお姉様です。』





END.
(あの時の諏訪さんは〜、)(もうヤメロォォォ!!)

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