高家の戦闘員

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「爽華〜」
「何ですか?」
「帰っていい?」
「ダメですよ。先生にお願いをされたのですから」
「面倒臭い〜」
「私は申し上げましたよ?待っていてくださいと」
「だって荷物大きいって言うから」
「でしたら最後までつきあって下さいませ」
「( ˘-з-)ちぇ~」

ここ鬼灯学園は名家中の名家の子息が通う。
その中でもトップを飾るのがこのふたりの家。皇家と鷹司家

そのふたりは敷地内の広大な芝生を歩いていた。

馬小屋や倉庫が立ち並ぶならひときわ大きい蔵の前で立ち止まった。

「ここ?」
「ええ」
「爽華の家の紋ついてるけど」
「寄付したんです」
「あぁ、邪魔だった?」
「はい、まだまだありますしね」

そういいながら鍵を開け戸を引くのだがびくともしない。

「あら?」
「はぁ」

槍花は片手で扉を開け閉まらないように扉の前に石を置いた。

「ほい」
「さすがですね」
「いや、爽華が非力なだけだから」
「さて巻物は……」
「あれ?無視?」
「槍花も探してください」
「扱い雑くね?」
「気のせいです」

そういいながらも中を捜索していく。

「爽華」
「ありました?」
「これなんて書いてあるか読める?」

槍花が出した巻物の中には見たこともない文字が書かれていた。

「えっと……
『引き合わせ鏡。ポーネグリフの在処に引き寄せる鏡』
って書いてありますね」
「ポーネグリフ?」
「この巻物の近くに鏡ありませんでした?」
「鏡?……あっ、」

槍花はひょいひょいっと棚をよじ登り飛び降りた。
その手には砂時計風のコンパスみたいなもの。

「何ですか?これ」
「これと一緒においてあって裏面が鏡になってる」

ほらっと見せたそこには綺麗な鏡があった。

「確かに鏡ですね。でもこれは何でしょう」
「さぁ?」

突如地面が揺れ扉が閉まって真っ暗になった。

「っ!?危ない!!」

暗闇の中で何か黒い物体が降ってくるの確認し槍花は爽華を自分の方へ引き寄せた。


揺れが収まりそっと目を開けたふたりは唖然。

「槍花、蔵にいましたよね」
「いた」
「これはどういった状況なんでしょう?」
「聞く相手間違ってるから」
「ですが槍花しかいないもので」

海辺に到着していた。
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