高家の戦闘員

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とりあえず近場の島で蓄えた食料で、マルコとサッチ、イゾウの3人と赤髪海賊団の宴会が開かれていた。

「あっ、イゾウさん!」

少し遅れてきた槍花はあの時以来のイゾウの姿を見て駆け寄っていく。

「もう大丈夫かい?」
「お陰様で元通りです」
「槍花ちゃん、印象変わるね。俺惚れそー」
「そのはなしはさ、もう」
「馬子にも衣装だったぜ!」

思い出して笑うハーデスにものすごい勢いで短刀がコップに突き刺さる。

「その話はもうしなくていいって言ってるでしょ?」
「お前!あぶねぇだろ!」
「誰が悪い」
「「「「「ハーデス」」」」」
「お前らっ!!」

そんな周りをよそにマルコはラム酒を飲みながら槍花を見る。

「なんだ、こってり搾り取られたのかよい」
「誰かさんが見捨てるから」
「で、学んだことはあったのかよい」
「これからはもっと上手くやる」

真面目にいうもんだから甲板にいた全員が笑い出す。ただひとりを除いて。

「まだこりてないのか?」

槍花はビクッとして後ろを振り向けばベックマンが呆れ顔で隣に座ったところだった。
その後にはちょこんと爽華が顔を覗かせている。

「槍花もベックマン様には叶わないようですね」
「なんで爽華は会いに来てくれないの」
「槍花がベックマン様に怒られていたからです」
「今回めちゃくちゃ頑張ったのに爽華とベックマンさんは褒めてくれない。なんか理不尽」

拗ねる槍花に爽華は微笑むとそばまで寄っていきぎゅっとハグをした。

「ありがとうございます」

槍花も微笑んで抱きつこうとした瞬間、ベリっと引き剥がされた。
見上げれば、シャンクスが爽華を抱き寄せていた。

「お頭、爽華と上手く行ったんすか?」
「まだだ!でも、槍花が一番の敵だからな」
「「「ガキか」」」

いつもの様子に笑い出す船員達に初めて見た白ひげの3人は思わず口を揃える。
槍花は無言で銃弾を装填する。

「安心して、峰打ちにするから」
「峰打ちって、銃で?」
「やばい!槍花をおさえろ!」

いつもと変わらぬ宴会に爽華はシャンクスの腕の中で優しく微笑んだ。
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