高家の戦闘員
□3
1ページ/2ページ
「ったく無茶しやがるぜ」
「ごめん」
「まぁ自分で解毒剤も取ってきたからな、船医としては褒めてやるよ」
数日がたち無事回復した槍花は診察を受けていた。
完治を言い渡され槍花はそのまま部屋を出ると船長室に足を運んだ。
コンコン
「おお、いいぞ」
なぜ見ないでわかるのかとかはあえて無視。
そのドアを開けた瞬間飛んできた鉄扇を思わず受け止める。
「爽華……」
「槍花、約束破りましたね?」
「あぁ、破った」
「爽華、落ち着けよ」
「シャンクス様、少々お黙りください」
「…はい」
「くくくっ」
ベックマンは爽華に凄まれ小さくなるシャンクスに笑うしかない。
そんなベックマンに横目でシャンクスは睨むがあまり意味が無い。
「槍花、あまり心配かけないでください。今回はそれで事なき終えましたがあのようなことは……………もう嫌なのです」
「ごめん、もう心配かけないように気をつけて戦うから」
優しく頭をなでながら爽華を抱きしめる。
そんな2人にシャンクスは満面の笑みを零す。
「お前ら俺の仲間になれよ!な?そしたら戦わせなくて済むしよ!」
名案だとでも言いたいのだろう。
「シャンクス様、申しましたよね?私達は違う世界から来たと」
「でも俺はお前に盗まれちまった」
「爽華がぬすんだ?」
「なにか盗みましたでしょうか?」
「俺の心」
爽華は無言で太股のホルダーから拳銃を抜き取りぶっぱなした。
「気持ち悪いこと言わないでください」
「きっ気持ち悪い………」
相当ショックだったのか床でのの字を書き始めたシャンクス。
が爽華は顔を真っ赤にしていた。
「爽華………もしかして」
「べっ別に何でもありません」
ぷいっと反対側を向いた瞬間かつんっと音がしてコロコロと転がった。
ベンが拾い上げまじまじと見る。槍花もそっと盗み見れば落ちたのはあの砂時計風コンパスの鏡だった。
「あっ、それ」
「お前のか?このエターナルポース」
「そんな名前じゃなくてポークグリル?ポートグラフ?」
「副船長さんはご存知なのですか?」
「この世界の船旅は普通のコンパスじゃ磁気が各島ごとに発生する。その磁気をログと言い旅をするにはこのログポースが行きたい場所へ連れていってくれる」
「どういうこと?」
「つまりログをその腕のログポースとやらに溜めて次々に島を目指すということですよね?」
「そうだ」
「前の島戻りたい時ってどうする訳?」
「このログポースは上書きされる。だが漁師なんかは戻らなきゃならねぇ、困るだろ?」
「復活早いですわね」
「困る」
「島が発する磁気を永久に閉じ込めたのがこのエターナルポースだ」
「へぇ〜、でもそのベンさんが持ってんのはそんな名前じゃなかった」
「シャンクス様、ポーネグリフをご存知ですか?」