大好きな貴方は

□目覚めた場所は海賊世界
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レンside



ほのかに香る潮風。海のない埼玉ではありえない。
目を開けば見知らぬ高い天井。

「………ここは」
「落ち着いたか?」
「何の話?(´•ω•`)」

昨日何かしたっけ?家の中に入って………あれ?

「昨日……家帰ってからのこと思い出せないんだけど」
「……それは」

ガチャ

「スモーカー………」

突然開いた背後の扉に体を起こして振り返ろうとすればスモーカーに抱きしめられた。

「おいおい、綺麗な姉ちゃんとイチャイチャして俺には書類落ち着けかよ」
「あんたが書類ためんのが悪いだろ」
「罰としてちょっと面拝ませなさいや」
「スモーカー…の知り合い?」
「あぁ、どうやら戻ってこれたらしい。じっとしてろよ」

知ってる人なのになぜじっと?
難しいことを考える前に目の前が白くなりアイマスクをつけた男の人の横を通り過ぎる。

「何その可愛い姉ちゃん!!」
「ちっ、見られたか」

葉巻の匂いがついた羽織を顔が見えないようにかけられ部屋を出る。

「煙になって大丈夫?」
「この世界じゃ常識だ」

常識……非常識が常識になる世界…

「あれ?スモーカーさん!?」

ふと女の人の声がして足が止まった。けど結局隠されるように抱えられたまま。

「いつ戻られたんですか!?というかどこにいたんですか!今まで!」
「スモーカー君、それ何?」
「物じゃねぇよ」

いやいや、スモーカー。私見えてないからものに見えるよ、どう見ても。

「ほぅ綺麗な女だな」

軽々抱えられ高い高い状態。ってかこのおじいちゃん……身長高くない?

「………ハァ」
「ワシはガープだ」
「結城レンと申します」

はらりと羽織が床に落ちる。
着替えてないので若干敗れたりしているドレス。

「……スモーカー君、誘拐してきたの?ヒナ軽蔑」
「はぁ!?」
「スモーカーさん、早くお城へ返してきてください」
「たしぎ!てめぇまで!」

ガープさんは下ろしてくれてそのまま落ちた羽織をスモーカーにかける。

「あぁ悪い」
「スモーカー君が!」
「スモーカーさんが!」
「「お礼を言った!!Σ(・艸・*)」ひな驚愕!」
「(((-'д-)y-~ イライラ」

あっ、スモーカー苛立ってる………
ってか綺麗な人だな…二人とも……

恋人かな……どっちか………

「レン、大丈夫か?」
「何が?」

笑うと優しく笑い返してくれる。

「スモーカーさんが…笑ってる……」
「スモーカー君………ヒナ応援」
「うるせぇよ!てめぇら!」
「ふふふ、スモーカーもタジタジだね」
「こいつらが鬱陶しいんだよ」
「ヒナさんはスモーカーの同期でたしぎさんは部下でしょ?慕われてる証拠じゃんね( ⋆ˊᵕˋ )」
「ハァ…」

何故ため息をつかれた?

「おぉそーじゃった、スモーカー。海賊討伐の司令が出ておったぞ」
「ちっ、こんな時に」
「スモーカー、お仕事サボろうとしてるでしょ」
「……お前来たばっかで」
「大丈夫、ここにはあいつらはいないし、心配ならさっさと済ませて帰ってきてね 」
「ヒナ、お前休暇取れるか?」
「というより今から休暇よ」
「レン、ヒナと日用品揃えとけ1週間で帰る」
「ダメです。ちゃんと終わらせて帰ってきなさい」
「……分かったよ」

素直に返事をするスモーカーに微笑みながら、ちゃんと自分の意思も伝える。

「帰ってくるまで寝れないから早くちゃんと待ってるよ仕事を終わらせて帰ってきてね」

ずっと一緒だったベットはもうひとりでは眠れないから。

そういえばまた微笑みながら頭をくしゃくしゃしてそっとたしぎさんを連れて出ていった。

無事に全員が帰って来れるおまじないをかけて。
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