大好きな貴方は
□隠し事
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「スモーカー!」
「あ?」
「明日緊急でバイト入った!」
とんで喜ぶレン。
「バイトって何してんだ?」
「あれ?言ってなかった?」
「あぁ」
「結婚式のウエイター」
「そんなバイトがあるのか」
「あるある!幸せそうな結婚式の土台である食べ物を運びます。まぁ声かけられたりするんだけどね」
「は?」
少し不機嫌そうに顔を歪めるスモーカーに笑いながら隣へ座る。
「お酒の場だからね。結構絡まれるの。私以外ね」
「お前は絡まれねぇのか」
「うん、これがあるからね」
そう言って左手を前に出す。薬指に銀色の指輪。
「指輪?」
「あぁもしかしてスモーカーの世界には無い?」
「指輪ぐらいあるからな」
「違う違う。これはね結婚指輪って言って結婚した時に忠誠を誓ってお互いに付けるの」
「は?お前‥‥‥‥‥‥‥‥結婚してんのか?」
「してませーん。これは‥‥‥‥‥‥もっともっと大切な人の形見。まぁ同性だけどね。ちょうど絡まれないから付けてるの」
「レン」
「ん?なに?」
きょとんとした顔でスモーカーを見上げる。
「‥‥‥‥‥‥‥‥いや、何でもない」
「?」