声なきピクシー

□自分の武器
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10歳の誕生日。
イーストブルーから片腕を無くしたシャンクスがやってきた。

「緋草!お前大きくなったなぁ!!」
「(今日で10歳だもん)」

スラスラと会話はできるようになったものの相変わらずのハスキーボイスに小声。

「っ!?声出るようになったのか!!!」
「(なっ!ちょっと触らないでよ!)」
「ケチくさいこと言ってんな!」
「(うるさい!ぎゃー!馴れ馴れしい!!)」

ガシガシと頭を撫でるシャンクスに緋草は逃げようとするのだが‥‥‥頭を撫でる力がものすごく強い。

「(ちょっ!いい加減に‥‥‥‥‥‥しろーーーーーー!)」

その声と同時に海が何もなく思いっきり浮かび上がった。
海の上に浮かぶこの大型であれモビーは海が動けば影響を受ける。
船が思いっきり揺れた。

「なんだ?!」
「どーなんてんだ!?」

宴会中の今当然慌てる船員慌てないのは赤髪の幹部に白ヒゲの隊長、その船長たちに緋草だけだ。
そして緋草に至っては全く気がついていない。

「(聞いてるの!?年頃の女の子にはね!やっていいことと悪いことがあんのよ!!)」
「‥‥‥‥‥‥お前」
「(ちょっとパパ!!話全然聞いてないんだけど!!)」
「おめぇ‥‥‥‥左頬のそれどうした」
「(え?)」

キョトンとしながらそっと手を持っていく。
緋草の左頬は青く光っていて、それは鱗だった。
ラピスラズリより少し薄めの海の色。
手を見れば腕の一部が同じようになっていた。






「(なにこれ?)」
「緋草、お前魚人だったのか」
「(そんなわけ無いでしょ、冗談は緩い顔だけにしときなさい)」
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