声なきピクシー

□強者の肩書
1ページ/5ページ




時が過ぎ、緋草が5歳になった時のこと。


《サッチュ!おかなへった!》
「惜しい!ュ入らねぇ!んでもっておなかな」

マルコに毎日一生懸命教えてもらいようやくかけるようになった。
上手いとはいい難いし所々読めない部分が多いのだが。

サッチの足元を引っ張りスケッチブックを主著する。

《マルコといっしゅする!テーニとこーひ!》
「マルコとおやつ食べるんだな?えーっと………ケーキか!コーヒーはマルコにだな」

満面な笑みで頷く。どうやら正解みたいだ。

「なんのケーキがいいかなぁ〜」

ケーキだけしか考えていなかった緋草は腕を組んでむぅ…としかめっ面をする。
その姿に食堂にいたコック全員和んでいた。

サッチは笑いながらスケッチブックに絵を書いていく。
チョコケーキにショートケーキ、モンブランにミルクレープやフルーツタルト。
書いていくにつれ緋草の目は輝いていく。

「お姫様、どのケーキにしましょうか?」

ぱくぱくと口を動かしながら指をさすのはいちごのショートケーキ。

「サッチ隊長、いちごなら面白い形のやつがありましたよ」
「へぇ、どんなやつだ?」

あるコックが持ってきたのは小さなピンク色のいちご。

「へぇ!可愛いじゃねぇか!」
「なんか混ざってたんですよ」

パクっ

「ん?緋草、今何食った?」

サッチが手に持っていたいちごは食べることができずお腹が減っていた緋草は、何かを食べていた。
しかもものすごいしかめっ面。

「あぁ!!」

驚きのあまり緋草は飲み込んでしまった。

「なんだよ!ってか緋草飲み込んだな!?」
「緋草!ここにあった変ないちじくまさか!」
《たへた!まづかた!》
「そりゃ皮ごと食えばな………」
「何のんきなこと言ってんですか……サッチ隊長。あれは悪魔の実かもしれなくて置いといたのに」





「あは…ハハハっ………………えぇ?!」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ