声なきピクシー
□出会いは突然
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いつもと変わらない海
そしていつもと変わらない宴会をしている白ヒゲ海賊団。
そんな楽しげな雰囲気の中、見張りの一人が声を張り上げた。
「船だ!!!」
「えぇ?こんな時にかよ」
「小舟じゃね?」
「っ!?緋実綺(ひびき)さんだ!!」
「なにっ!?」
「早く引き上げろい!!!」
慌ただしくその船を甲板へ迎え入れる。
その中には綺麗な顔立ちの女の人が倒れ込んでいた。
が、息が荒く今にも絶えそうだ。
「船医呼んでこい!!!」
「緋実綺」
「にっニューゲート…」
「何があった」
「た……………のみが…ある………」
そっと白ひげが緋実綺の体を起こす。
緋実綺が大事そうに抱えてる胸からもそもそと何かが動き
ひょこっ
と顔を出した。
「っ!?」
「なを…………緋草…………私の子…………」
緋実綺と同じ黒髪にサイドの髪だけピンクがかっている女の子。怖がる様子もなく手を伸ばしてぱくぱく口を動かす。
「………この子……………………海賊に……せいた………いを傷つけ……ゲホゲホっ………………られてこ……えが出ないの」
衝撃の一言にその場にいた全員が絶句している中、母親の上で満面な笑みを浮かべる。
「に…………ゅーげ………と………お願い………………あなたの家族に…この子も……………」