正義感溢れる野良猫と

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「合宿ってそもそも何するん?」
「今回は近くの学校に行っての試合かな」
「強いやつがいっぱいいるんだぞ」

とりあえず場所を屋上にてご飯を食べることにした4人。

「みんな楽しそうやなぁ」
「そりゃ春高前だしな!」
「ハルコウ…」
「高校バレーの大きな大会だよ」
「そうなん!!ほんなら優勝やな!」

満面の笑みを浮かべてお弁当を食べる颯に「簡単に言ってくれちゃってー」と全員少し苦笑い。
だが、特に変なことを言った覚えのない颯はキョトンとする他ない。

「なんで?」
「なんでってそんなに簡単に手に入る切符じゃないのにさらに優勝って」
「なんやなんや、試合やったら勝つしかないやろ?」
「その前に予選があるからなぁ…」

上下関係が厳しいようでバレーボールすら触らせてもらえない1年のことを颯は3人からはじめて聞き目を見開く。

「信じられへん…」
「自主練はしてるけどね」

颯は立ち上がると悪い笑顔を3人に向ける。

「ビーチバレーは諸事情よりやりたくなかったけど、うちが鍛えたるわ」
「サーブは凄かったけど、別にそんなに偉そうに言うほどなんですかね?」
「うちを誰やと思てんの?
Daughter of former volleyball player William Walker.」
「英語すぎてわかんね」
「バレーボール選手は聞き取れた」
「……うぃ…ウィリアム・ウォーカーって言わなかったか?!」
「That's right!」
「え?あの最年少選手のウィルが関係してんの!?」
「娘や」
「「「えぇ!?」」」
「ともかく」

少し離れ3人に向かってビシッと指をさす。

「人に指さしちゃ行けませーん」
「うちもバレーに関して勉強するわ、あんたら3人がレギュラーになれるように。
せやからあんたらはうちをその…なんやっけ?なつこう?連れてって」
「春高ね」
「連れてってあげましょうとも」
「ってことはその時はマネージャーやってくれんの?」
「かまへんよ、遥人もバレー見てると大人しいし」
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