正義感溢れる野良猫と
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声をかけられてるような気になり意識を浮上させる。
「こらこらこらこら、待ちなさいっての」
「まんま!」
「わかったから!」
「まんまーーー!」
慌ただしい声が頭に響きながら体を起こそうと手をつく。が、結構重症な火傷をおっておりそれを知らない颯は激痛に力が入らず、手を滑らせてベットから落ちる。
「っと、あぶねぇ」
頭に衝撃が出ず柔らかい感じと声に目を開けば遥人がおやつを頬張りながら黒尾に抱えられてこちらを見下ろしていた。
「てっ…ちゃん、遥人……なんで?」
「なんでは俺のセリフなんですが?」
「不法侵入…」
「違いますぅー開いてたんですぅー」
「頭が…ガンガンする……」
「そりゃ40度も出てりゃな」
「なんか…手が……激痛…」
「火傷をしてるからな」
ベットに頭を戻され、背中からゆっくりと起こしてくれる。そして倒れないように黒尾は背中側に腰を下ろした。
地面に解き放たれた遥人は元気よくおもちゃへ向かってく。
「ほら、水分取れ」
「ありがと」
ゆっくりとそんなに冷えていないスポーツドリンクを飲む。と湯気が見え視線をその方向へ移すと卵粥があった。
「なんで」
「作ったから」
「お母さんみたいやわ…」
「なら、お母さんなので言わせてもらいましょう」
颯はゆっくりとお粥を食べながらも視線は黒尾へ向ける。目は…ちょっと怒ってるらしい。
「なんで頼ってくれないんですかー?」
思いもよらない発言に颯はきょとんとする。まぁ怒られることをした感じもなかったので、何が始まるんだろとは思っていた。
「頼る?」
「そう」
「誰に?」
「だれ……誰に!?俺でしょ!?」
「なんで?」
「まてまてまてまて、予想外す「てっちゃんは友達やろ?なんで頼るん?」……」
ため息を着く黒尾に食べ終えたお粥のお皿を渡す。ちなみにいらないから渡したのではなく……
少し冷めたお粥の鍋を膝の上に置いてもらうとゆっくりと食べ始めた。
「まぁいいわ、今度で」
「人に作ってもらうご飯幸せやわ…ちょっと頭痛いの治った」
「お前それ脱水症状じゃね?」
「……あー、そういえば………遥人が高熱だして次の日にうちに移ってから動くのしんどくて遥人のことしかしてへんかったかも」
とんでもない発言に遥人がハイハイで持ってきたおもちゃを思わず落とし、笑顔で颯を見るとめちゃくちゃ怒った。